リチウムイオン電池と比べて、高温や低温でも安定して使用できるとされる全固体電池。
劣化しにくく安全性も高いので、電気自動車やスマートフォンなど、さまざまな分野で活躍が期待されています。
まさに、今後のカギを握るといってもいい存在ですね。
そこで今回は、そんな全固体電池に関連した銘柄をピックアップ。それぞれ詳しくご紹介していきます。
目次
全固体電池の関連銘柄9選
それではいよいよ実際に全固体電池の関連銘柄をご紹介。それぞれ業績や事業内容など詳しく解説していきます。どれも素晴らしい活躍をする企業ばかりなので、さっそくチェックしていきましょう。
1. 旭化成株式会社(3407)
- 東証1部
- 時価総額1.61兆円
- 2020年3月期売上高2兆1516憶4600万円
- 2020年3月期営業利益1772億6400万円
- PER(予)22.6倍/PBR1.2倍
サランラップ®やジップロック®でおなじみの「旭化成株式会社」。ほかにも建築請負や医薬品など幅広く活躍している企業です。
そんな同社だけど、名誉フェローにはリチウムイオン電池を開発したことでノーベル化学賞を受賞した吉野彰が。これにより全固体電池の分野でも注目度が高めなんです。
実際、旭化成株式会社は吉野彰氏が理事長をになっている技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センターLIBTECにも参加。同センターでは2023年に全固体電池の試作品完成を目指しているんですよ。
過去一か月の直近高値では2021年2月9日が1,270、同じく直近安値では2021年2月19日が1,131となっています(2021年3月4日現在)。
2. 住友化学株式会社(4005)
- 東証1部
- 時価総額8,486億円
- 2020年3月期売上高2兆2258憶400万円
- 2020年3月期営業利益1375億1700万円
- PER(予)42.4倍/PBR0.9倍
日本を代表する化学メーカーのひとつ「住友化学株式会社」。農業用の殺虫剤や殺菌剤をはじめさまざまな化学製品を展開するほか、傘下の大日本住友製薬株式会社では医薬品も展開しています。
そんな同社だけど、2020年には京都大学とともに全固体電池の材料などに関する開発を行うことに合意したと発表。
また同じく2020年に、東北大学とともにリチウムイオン電池の劣化を抑えるためのメカニズムを解明。この研究が全固体電池にも役立つのではと期待されているんですよ。
過去一か月の直近高値では2021年2月25日と3月3日が541、同じく直近安値では2021年2月5日が501となっています(2021年3月4日現在)。
3. 三桜工業株式会社(6584)
- 東証1部
- 時価総額351億円
- 2020年3月期売上高1427憶700万円
- 2020年3月期営業利益54億5200万円
- PER(予)13.0倍/PBR1.2倍
自動車部品に特化した「三桜工業株式会社」。エンジン関連やブレーキ関連など、幅広い製品を展開している企業です。
そんな同社だけど、2018年には全固体電池の開発などを行うアメリカのベンチャー企業Solid Power Inc.に出資。ともに開発に取り組むんでいるんだとか。
実際このSolid Power Inc.は全固体電池の開発に成功。2020年にはサンプル出荷もスタートしたことで注目を集めています。
過去一か月の直近高値では2021年2月17日が1,085、同じく直近安値では2021年2月4日が909となっています(2021年3月4日現在)。
4. パナソニック株式会社(6752)
- 東証1部
- 時価総額3.29兆円
- 2020年3月期売上高7兆4906憶100万円
- 2020年3月期営業利益2937億5100万円
- PER(予)21.9倍/PBR1.4倍
エアコンや空気清浄機といった家電機器からパソコン、さらには乾電池まで多くの製品を展開している「パナソニック株式会社」。私たちにとって身近な企業のひとつですね。
そんな同社だけど、2020年夏には一般財団法人ファインセラミックスセンターなどとともにリチウムイオンの動きを観察できる技術を開発。ちょっと難しいけど、全個体電池の開発に役立つとされる技術ですね。
また2019年1月にはトヨタ自動車株式会社とともに合弁会社であるプライム プラネット エナジー&ソリューションズ株式会社を設立し、車載用全固体電池の開発などにも取り組んでいます。
過去一か月の直近高値では2021年2月15日が1,520、同じく直近安値では2021年3月1日が1,363.5となっています(2021年3月4日現在)。
5. TDK株式会社(6762)
- 東証1部
- 時価総額1.97兆円
- 2020年3月期売上高1兆3630憶3700万円
- 2020年3月期営業利益978億7000万円
- PER(予)26.0倍/PBR2.2倍
かつて記録メディアの分野で知名度抜群だった「TDK株式会社」。現在では電子部品やリチウムイオン電池などを展開しています。
なかでも全固体電池の分野では、充放電できるというSMDタイプの全固体電池CeraCharge™を開発済み!このタイプでは世界初だったそうで、まさに先駆け的存在なんですよ。
それだけに注目度も高く、日本経済新聞社が主催している2018年日経優秀製品・サービス賞において、最優秀賞も獲得しています。
過去一か月の直近高値では2021年2月16日が16,950、同じく直近安値では2021年2月4日が15,220となっています(2021年3月4日現在)。
6. FDK株式会社(6955)
- 東証2部
- 時価総額472億円
- 2020年3月期売上高621憶2300万円
- 2020年3月期営業利益8億4100万円
- PER(予)31.4倍/PBR5.2倍
富士通株式会社の参加として名を連ねる「FDK株式会社」。電池や電子部品などを展開する企業です。
もともと電池分野に強いだけあって、技術力は抜群。すでにSMD対応小型全固体電池であるSoLiCell™を開発しているんですよ!
さらには静岡県内の工場で生産もスタートし、今後の安定共有や活躍が期待されています。
過去一か月の直近高値では2021年2月8日が1,605、同じく直近安値では2021年3月3日が1,332となっています(2021年3月4日現在)。
7. 太陽誘電株式会社(6976)
- 東証1部
- 時価総額6,778億円
- 2020年3月期売上高2823憶2900万円
- 2020年3月期営業利益371億7600万円
- PER(予)27.7倍/PBR3.0倍
電子部品の開発のほか、太陽光発電向けやIoTなどといったソリューションを展開している「太陽誘電株式会社」。
2019年には酸化物系固体電解質セラミックスを使用したという全固体電池の開発に成功しています。
また2021年度中の量産も視野に入れていて、将来的にはウエアラブル機器などでの使用を目指しているんですよ。
過去一か月の直近高値では2021年2月4日が6,010、同じく直近安値では2021年2月26日と3月3日が5,260となっています(2021年3月4日現在)。
8. 株式会社村田製作所(6981)
- 東証1部
- 時価総額6.03兆円
- 2020年3月期売上高1兆5340憶4500万円
- 2020年3月期営業利益2532億4700万円
- PER(予)27.9倍/PBR3.3倍
電子部品の分野に長けた「株式会社村田製作所」。こちらもまた言わずと知れた有名企業ですよね。
なかでも全固体電池の分野では大躍進で、すでに2019年時点で全固体電池の開発に成功!2020年度中の量産化も予定されているんだとか。
実際この全固体電池は補聴器への採用も予定されるほか、IoT機器などへの採用も今後予定されています。
過去一か月の直近高値では2021年2月16日が10,065、同じく直近安値では2021年2月26日が9,067となっています(2021年3月4日現在)。
9. トヨタ自動車株式会社(7203)
- 東証1部
- 時価総額22.15兆円
- 2020年3月期売上高29兆9299憶9200万円
- 2020年3月期営業利益2兆4428億6900万円
- PER(予)11.7倍/PBR1.0倍
自動車メーカーの中でも絶対的存在である「トヨタ自動車株式会社」。それだけに自動車向けの全個体電池でも注目で、全個体電池に関連した特許出願件数でもトップクラスなんだとか。
また4番の項目でもご紹介したとおり、2019年1月にはパナソニック株式会社とともに合併会社であるプライム プラネット エナジー&ソリューションズ株式会社を設立。
車載用全固体電池のほか、そのた車載用電池の開発に取り組んでいます。
過去一か月の直近高値では2021年2月12日が8,497、同じく直近安値では2021年2月4日が7,713となっています(2021年3月4日現在)。
競争が激化する全固体電池!
今回は全固体電池の関連銘柄をご紹介してきました。
電気自動車をはじめ、さまざまな分野で役立つと期待される全固体電池だけあって、どの企業も注力。これから先さらに競争が激化していく予感です。
ぜひみなさんもこの機会に全固体電池の銘柄をチェックして、最新情報に注目してみてくださいね。