株式投資の需給とは?重要性と需給を読むタイミングを解説

株式投資を始めると何かと見かける需給。「需給を読め」とか「需給が大事」とか言われてるけど、実際どんなものなのかわかりにくいですよね。

かくいう私もそのひとりで、「需給ってなんなの?」「なんで大事なの?」とわからないことばっかりでした…。

そこでこの記事では同じような悩みを持ってる人に向けて、需給とはどんなものなのか、どうして重要なのかなどなど、詳しく解説していきます!

株式投資の需給とは?

そもそも株式投資でよく聞く需給(じゅきゅう)ってなんなのか。

需給とは、需要と供給のバランスのこと。もっと詳しくいうと、「需要=買い手」「供給=売り手」を指してて、この需要と供給の力関係によって株価が決まるといっても過言じゃありません。

これは日常生活でも同じですよね。たとえば人気の商品があったとして、需要が高まり品薄になれば値段はどんどん上がっていきます。反対に不人気な商品で供給過多な状態になれば、値段も下がっていくでしょう。

株式投資の需給でも、基本的には同じ原理。つまり、株式投資では需給によって株価が上下するってことです

なんとなくはNG!需給が重要なワケ

そんな需給だけど、なんでこんなに話題になるのか。私も最初の頃はネット記事なんかで見かける度に「そんなに重要なの?」って思ってました。

でもね、重要なんです。よく「好きな銘柄だから」「大手だから何となく…」って理由で買う人もいるけど、それじゃダメ。さっきも書いた通り株式投資の需給は株価を上下する要因になるものなので、成功させるためにはこの需給を正しく読み、先手を打つことが大切なんですよ

とはいえこれだけじゃ説得力がないので、資金を借りて売買する信用取引を例に挙げて重要性をご紹介しますね。

まず信用取引には「買い残(かいざん)」と「売り残(うりざん)」っていうものがあり、総称して信用残高っていいます。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 【買い残】…信用取引で買ったものの未決済のもの。これからさらに株価が上がると予測し決済していない状態が多い。
  • 【売り残】…信用取引で売ったものの未決済なもの。これからさらに株価が下がると予測して決済していない状態が多い。

しかしここで注意したいポイントがひとつ。それこそ株価の上下に関わる需給です!

というのもこれらの信用残高は、今後もっと儲かると期待して決済してない状態。ここで需給を読み間違えて上がるor下がると大損する可能性もあるんです

これは信用取引だけに限定したことじゃないけど、資金を借りてる信用取引はリスク大!リスクを減らすためにも、需給をしっかり見定めることが大切なんですよ。

要チェック!需給が上下する6つのタイミング

需給が大切なのはわかったけど、じゃあいったい、どんなときに需要と供給のバランスが変わるのでしょうか。最後に需給が上下するタイミングについて、覚えておきたい6つをご紹介します。

1. 企業の業績

まず株式の需給が一番わかりやすいのが、企業の業績です。投資未経験の人でもテレビのニュース番組などで聞いたことがあると思いますが、企業はそれぞれ定期的に業績を発表します。

そしてこの業績がよければ需要が増え株価があがり、業績が悪いと供給が増え株価は下がる傾向にあるんです

簡単にいうと業績がよければ「儲かってる会社だから買って損はないだろう!」ってなりますし、反対に業績が悪ければ「あんまりいい会社じゃないから早めに売っちゃおう」ってなるわけですね。

2. 自社株買い

自社株買いとは、その名の通り自社の株式を企業が買い戻すこと。そのぶん市場から株式が減るので、株価の上昇が期待できます。

行われる理由はいろいろありますが、株主への還元や需給改善目的などが多め。そのため決して悪い話じゃないものの、需給が上下するタイミングとして覚えておいてくださいね

3. 人気や話題性

続いて意外と身近なのが、銘柄の人気や話題性です。これは単純明快ですね。

もともと人気の銘柄はもちろん、話題になったスマホアプリの開発会社や新薬の開発を発表した製薬会社などなど、そのときそのときに話題になると一気に人気が高まるもの。すると当然ながら需要が増え、「需要>供給」となるわけです。

たとえば最近では、液体のりを使うことでがんの治療効果が高まると話題に。結果として、関連株が急騰しました。つまり、今後の発展を見越して需要が高まったってことですね。

4. 換金売り

聞きなれない言葉だけど、換金売りとは資金を調達するために今持ってる株式を手放すこと。つまり換金売りが増えれば供給過多になるので、需給が悪化するんです

ちなみにこの換金売りは景気の悪化などいろんな理由で起こりますが、とくに注意してほしいのが、ファンドや公的機関など大規模な換金売りが予測されるとき

たとえば公的年金の場合、年金受給者が増えるのに伴って、換金売りして資金を作ります。公的年金だけあってその額も凄まじいものになるため、需要が追い付かず、供給過多で株価が下がる可能性が高いんですよ。

5. 世界情勢

需給が上下するタイミングでもっとも注意してほしいのが、この世界情勢によるもの。具体的にはリーマンショックや、現在の新型コロナウイルスによる景気悪化などですね。

このような不測の事態が発生すると、一気に需要がなくなります。つまり損をしたくないためにみんなが一斉に売りに出し、需要と供給のバランスが崩壊しちゃうんです

こういうときに需給を読み間違えると大損になる可能性も十分あるので、注意してくださいね。

6. 公募増資

この公募増資とは、資金調達などの理由で新しい株式を発行したとき、不特定多数の投資家に勧誘することです。一見すると悪いことじゃないしメリットもあるんですが、需給の面ではデメリットも存在してるんですよ。

というのも、新しい株式を発行するってことは、1株あたりの価値が減るってこと。そのため公募増資が発表されると、売りが増える可能性があります。

つまり需給が「需要<供給」になり、株価が下がるかもしれないってことですね。

需給を読んでリスクを防ごう!

今回は株式投資の需給について詳しくご紹介してきました。

プロでも読むのが難しいといわれる需給。それだけになかなか正確に需給を読むことは難しいですが、タイミングさえしっかり見定めておけば不可能ではありません。

投資のリスクを減らすためにもとっても重要なので、ぜひ世間の動向に注目しながら、需給を見極めてくださいね。