売り禁ってなに?売り禁の意味からその後の値動きまで徹底解説!

株取引をしてると小耳にはさむ「売り禁」って言葉。この売り禁が発表されると、なにかと話題になりますよね。

とはいえ投資初心者にとっては、ちょっとわかりにくいのが現実。私も最初の頃はSNSなんかで「○○が売り禁だって!」と見かけても、一体何が起こるのか、どうすればいいのか、悩みました…。

そこでこの記事では、同じような疑問を抱える人に向けて「売り禁」について徹底解説。どんなものなのか、株価はどうなるのかなどなど、詳しくご紹介していきます。

株取引の売り禁とは?

そもそも株取引で耳にする売り禁止とはいったいどんなものなのか。「売り禁、売り禁」ってよく話題になるけど、これはひと言でいうなら、信用取引の新規売り(空売り)なんかを禁止する規制のことですね

とはいえこれだけだとわかりにくいので、順を追って説明します。そもそもさっき登場した空売りとは、手持ちのない株を借りて売る信用取引のひとつ。信用売りとも呼ばれ、株価が今後下がりそうなときに空売りをし、下がってから買い戻すことで利益を得ます。

具体的に小さい数字でたとえると、500円の株を100株空売りしたとします。そして空売りは借りてるだけで買い戻さないといけないので、その後株価が200円になったときに100株買い戻します。結果、50,000円から買い戻し分の20,000円を支払った残り30,000円が利益になるわけです。

しかしこれには問題があって、空売りが増えるとバランスが偏って株不足になるってこと。結果として株券の調達が難しくなるため、場合によって売り禁が行われるんですね。

またほかにも空売りは今後下がりそうなとき=急騰中に殺到することも多く、空売りが増えれば増えるほど暴落するリスクも増えるというもの。そのため売り禁は、暴落リスクを防ぐためにも有効な手段なんですよ。

空売り規制との違い

そんな売り禁だけど、似たものに「空売り規制」ってものがあります。空売りを禁止する売り禁と空売り規制…字面だけ見ると同じように感じますよね。

でも実はこれ、全くの別物。以下に規制内容の違いを書いてるので、間違えないように注意してくださいね。

  • 【売り禁】…空売りがすべて禁止。さらに現金で株式を引き取る信用買いの現引きも禁止。
  • 【空売り規制】…空売りはできるけど、51単元以上の空売りは禁止。

売り禁が発表された後の株価はどうなる?

ここまで売り禁について解説してきたけど、じゃあ実際売り禁が発表された後の株価はどうなるのか。なんだかんだ言って、ここが一番気になるんじゃないでしょうか。

結論からいうと、一般的には下がると予想されます。というのも売り禁になると出来高と呼ばれる売買が成立した株数が減るので、株価が上がりにくくなるんです。

またほかにも、売り禁の原因となる空売りは株価が下がりそうなときに行われます。つまり、売り禁が出た時点で相場は上がりきった状態なので、あとは下がるだけって考えられるんですよね。

実際相場格言にも、売り禁が発表された銘柄は買わない方がいいよって意味の「売り禁に買い無し」なんて言葉があるくらいなので、売り禁が出た銘柄はリスクが高いといえるでしょう。

とはいえこれはあくまで予想。なかには売り禁後に急騰した銘柄もあり、下がるかどうかは正直なところ誰もわかりません。一応以下で売り禁後に急騰した実例をいくつか挙げてるので、参考にしてみてくださいね。

コロプラ

スマートフォンゲームなどを手掛けることで有名なコロプラ。このコロプラが売り禁になったのは2019年9月20日のことです。

ドラクエウォークというゲームアプリの配信開始後のできごとですね。セールスランキングで1位を獲得するなど話題となり、株価が急騰していました。

そんななかでの売り禁ですが、株価が下がらず高騰。一般論でいえば下がると予測できるものの、実際にはしばらくの間上昇を続け、ネット上などでも注目を受けました。

ANA

もうひとつ売り禁後の高騰で有名なのが、少し前に発表されたばかりのANA(全日本空輸株式会社)。いわずと知れた航空会社で、知らない人はいないってくらい有名な会社ですよね。

そんなANAが売り禁になったのは、2020年3月16日のこと。原因は諸説あるものの、新型コロナウイルスの影響による空売りを防ぐためともいわれています。

こちらも売り禁後、コロプラ同様に株価が急騰。一時はJALと1000円以上の差をつけるなど話題になりましたが、新型コロナウイルス関連のニュースの影響を受け、あまり安定はしませんでした。

売り禁になったら要注意!

今回は株式投資でよく聞く「売り禁」について詳しくご紹介してきました。

売り禁=株価が下がるっていわれてるけど、実際はコロプラやANAのようにその時にならないとわからないもの。初心者にとっては敷居が高いのが現実です。

そのためリスクを理解するのが何より大切。とくに初心者にとっては売り禁=要注意と理解し、安全な投資を心がけましょう。