これで完璧!米国ETFの種類から買い方、税金まで簡単解説!

近年なにかと話題の米国ETF。耳にしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。サイトの記事やYouTube動画など、米国ETFを取り上げているものも多く見かけます。

とはいえまだまだメジャーじゃないのも事実。米国ETFってなんなのか、どうやって始めればいいのかなどなど、疑問に思ってる人も多いはず!

そこでこの記事では、米国ETFの基本的な説明から買い方、税金のことや分配金の支払い日まで、簡単解説。これさえ読めば米国ETFが丸わかりなので、興味がある人、これからやってみたいなって人はぜひ参考にしてくださいね。

そもそも米国ETFってどんなもの?

そもそもの問題として、米国ETFってなんなのでしょうか。実際、ここからつまづいてる人もいると思います。

そもそもこのETFとは、上場投資信託のこと。Exchange Traded Fund(エクスチェンジトレードファンド)の頭文字をとっています。つまり米国ETFとはアメリカの上場投資信託ってことですね。

こう聞くと「アメリカの投資信託ってこと?」と思いがちだけど、ちょっと違うもの。あくまでアメリカの証券取引所に上場している投資信託ってことです

わかりにくいですが、ETFはその名の通り上場しているので、リアルタイムで取引が可能。株式と同じような取引でありながら、投資信託と同じように分散投資もできるんです。まさにイイトコドリなんですよ。

ちなみにアメリカ以外にも中国ETFや、日本国内の国内ETFなんてのもあります。

ほかの国じゃダメ!米国ETFがおすすめな理由

そんな米国ETFだけど、じゃあなぜ米国ETFがおすすめなのか。さっきもちょっと書いた通り、ETFにはもちろんほかの国や日本国内も存在するんですが、なかでも米国ETFが人気なのにはちゃんと理由があるんです。

まずなぜ国内ETFじゃダメなのかというと、一番大きな理由が規模の差があるからです。たとえば国内のETFが200本程度なのに対し、海外ETFは7000本以上といわれてるんですよ。実際、世界のETF純資産残高は650兆円程度で、そのうち日本国内のETFは40兆円程度ですから、規模が小さいのが分かりますね。

そしてもうひとつ、なぜほかの国じゃなく米国ETFがおすすめかというと、圧倒的な数を誇る海外ETFの中でもアメリカが主流だから。というのも米国ETFは、純資産残高が世界の7割近くを占めているんですよ!

さらに米国ETFの数は2000本程度と国内ETFの約10倍。これだけ種類があれば、選択の幅も広がりますよね。

しかも米国ETFは、今後もさらなる成長が見込めるとされています。ETFの純資産残高は投資する人のニーズによって変動していくものなので、買う人が多く人気があれば成長率も上がるわけです。実際米国ETFでは、はじめてETFが開始されたころから比べ7倍程度もの成長をしているので、今後の成長率も増加していく可能性が高いでしょう。

このように日本と比べて圧倒的なのはもちろんのこと、世界的に見てもこれだけ規模に差があり、今後の成長も見込める!米国ETFがおすすめな理由がわかっていただけたんじゃないでしょうか。

もちろん2000本すべてを日本国内で購入できるわけじゃありませんが、それでも証券会社ごとにかなりの取り扱いがあるので、ぜひ参考にしてみてください(2020年1月調べ)。

SIB証券 楽天証券 マネックス証券
米国ETFの銘柄数 298本 306本 295本

どうやればいいの?米国ETFの買い方

米国ETFは、もちろん日本国内で購入可能。証券会社で売買できるので、手持ちの証券口座を利用するか、証券口座を作るなりするところから始めましょう。SBI証券や楽天証券、マネックス証券なんかでも買えますよ!

具体的に説明すると、SBI証券の場合、一緒に外国株式口座を開設。そのうえで外貨両替をし、ドルを用意して米国ETFを買い付けます。ちょっと手間がかかるように感じますが、SBI証券や楽天証券のようなネット証券であれば基本的にオンライン上だけで完結できるので、実際は結構簡単なんですよ!

ちなみにETFは株と違って小額からでの購入も可能。価格は日々変動するので、具体的にいくら!とは言えませんが、最低1万円程度から買えるものもあります。とはいえこれだとさすがに心もとないので、はじめての場合は5万円くらいの予算を考えておくと、世界観を体感できるでしょう。

米国ETFは日本円で買える?

上の項目で「ドルを用意して買い付ける」と書きましたが、証券会社ごとに異なるものの、もちろん日本円でも購入可能です。ドルで買うことを外貨決済、日本円で買うことを円貨決済といって、SBI証券や楽天証券、マネックス証券ではどちらも可能です。

外貨決済の場合は自分で一旦ドルに外貨両替し、その後ドルで買い付けます。対する円貨決済は、そのときのレートの合わせて自動でドルに変換してくれるので、日本円のまま買えます。

それぞれメリット・デメリットがありますが、大きなポイントは以下の通りです。

  • 【円貨決済】…円のまま買えるので手間はかからないが、そのぶん手数料がかかりがち。また為替リスクがある。
  • 【外貨決済】…自分で外貨両替する手間はかかるが、そのまま再投資もできる。また為替リスクも少ない。

このように、違いがあるんですよね。もっと詳しく説明すると、まず円貨決済の場合。もろもろの面倒な手間がかからないので、慣れない初心者や忙しい人にはとっても便利です。

反面、自動とはいえ裏ではドルへの両替が行われてるわけですから、当然手数料もかかります。外貨決済より高めな設定なのはもちろんのこと、たとえば米国ETFを売却して再投資する場合、手数料が2回かかってしまうんです。というのも分配金や売却した利益はドルで入りますから、ドル→円へ変換、また円→ドルへ変換し再投資することになるんですよね。

またほかにも、自動で行われてしまうわけですから、為替リスクもあります。たとえば1ドル=100円としたとき1ドルが110円の円安なら、1万円分でも91ドルにしかならないので、タイミングによっては損をしかねません。

対する外貨決済の場合、外貨に両替する手間が当然かかります。自分で行うわけですから、とくに慣れない初心者には難しく感じてしまうでしょう。

しかしそのぶん、好きなときにドルへ変換しておけるので、為替リスクを回避しやすくなります。さっきの逆で、たとえば1ドル90円の円高なら1万円分で111ドルになり、得をする可能性もあるわけです。

またほかにも、自分で安く外貨両替しておけば為替手数料が抑えられる可能性もありますし、分配金や売却した利益が入ったときも、ドルで支払われるので、そのまま再投資が可能です

このようにそれぞれ一長一短。そのため少しでも簡単に済ませたい人は円貨決済、手間をかけてもできるだけお得にしたい人は外貨決済など、自分にあったほうを選ぶといいでしょう。

米国ETFの手数料は?大手ネット証券会社をチェック

さっきも説明した通り、米国ETFでもほかの投資同様に手数料はかかるもの。そこでここでは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の大手ネット証券3社で、米国ETFにかかる手数料を調べてみました(2020年1月調べ)。

SIB証券 楽天証券 マネックス証券
取引手数料 約定代金の0.45%(税抜)。最低手数料0米ドル、手数料上限20米ドル(税抜) 約定代金の0.45%(税抜)。最低手数料0米ドル、手数料上限20米ドル(税抜) 約定代金の0.45%(税抜)。最低手数料0米ドル、手数料上限20米ドル(税抜)
手数料無料対象銘柄数 9銘柄 9銘柄 9銘柄
為替手数料(片道) 25銭(※4銭・2銭) 25銭 25銭(※0銭)

比べてみるとほぼ横並びなものの、SBI証券では4銭、2銭になることも!これは住信SBIネット銀行を利用する方法で、ひとつは外貨普通預金を利用してドル→円にへ変換し、住信SBIネット銀行からSBI証券にドルで振り込み、外貨決済で購入する方法です。このとき為替手数料は4銭になります。

また同じく住信SBIネット銀行の外貨積立を利用する場合では、為替手数料が2銭と格安。手間はかかりますが、長い目で見るととってもお得といえるでしょう。

その他マネックス証券の為替手数料では、過去に行われていた米国株取引のための円→米ドルへの為替手数料0円を2020年1月8日以降も継続中。とはいえこれは限定的な可能性も十分あり得るので、要注意です。

分配金はいつ?税金はいくら?

ここまで米国ETFについていろいろ解説してきたけど、忘れちゃいけないのが分配金と税金ついて。分配金は米国ETFを買ううえでとっても重要なメリットですし、税金は忘れるとあとあと大変です!

そこで最後に、それぞれの項目を解説。しっかりご紹介していくので、よく覚えておいてくださいね。

分配金は銘柄ごとに違う!

まずは気になる分配金について。いつ頃支払われるのか気になります。とはいえ実は、米国ETFが分配金を支払う日程や回数は、所有している銘柄によって違うので要注意

たとえば「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」では、決算月が3月・6月・9月・12月の年4回。2019年の決算日は3月26日、6月18日、9月25日、12月24日で、その後分配金が支払われています。

対する「iシェアーズ S&P 500 ETF」では、決算月が2月と8月の年2回。2019年の決算日は2月9日と8月9日で、その後分配金が支払われています。

このように年1~2回のものから、年複数回あるものまでさまざまなので、購入前に気になる銘柄について調べておくと安心ですよ!

税金は分配金と売却で異なる!

まず米国ETFを売って利益が出た場合、国内株式なんかと同じく20.315%の税金がかかります。特定口座で源泉徴収ありにしておけば自動で計算してくれますが、そうでない場合は自分で申告が必要なので要注意です。

また分配金などがあった場合、これはさらにややこしくなります。まずアメリカの源泉徴収を受けてから、さらに国内で源泉徴収されるんです。アメリカの源泉徴収税率は10%なので、この10%引かれた金額からさらに先ほどの20.315%が引かれるってことですね

ちょっとややこしいですが、下記はSBI証券に掲載されていた分配金の計算例です。

【計算例】米国ETFの場合

平成26年以降(復興特別所得税を含めて計算)
■米国ETFのA銘柄を100口保有し、1口当りの収益分配金が0.80米ドルの場合
0.80米ドル×100口=80.00米ドル
80.00米ドル×10%(米国源泉徴収税率)=8.00米ドル
80.00米ドル-8米ドル=72.00米ドル(国内入金額)

■国内源泉税(20.315%※)の計算
申告レート(現地保管機関等の入金確認日のTTBレート) 120円
為替レート(当社が入金を確認した日のTTMレート) 120.20円
72.00米ドル×120円×15.315%=1,323円(所得税・復興特別所得税15.315%)※
72.00米ドル×120円×5%=432円(住民税5%)
1,323円÷120.20円=11.00米ドル
432円÷120.20円=3.59米ドル

■手取り金額の計算
72.00米ドル-11.00米ドル-3.59米ドル=57.41米ドル

出典元:SBI証券

はじめてだとかなり難しく感じちゃいますよね。とはいえこういった計算ができると、税金だけじゃなく実際いくら手元に入るのかの計算にも役立つので、苦手意識を持たず慣れることから始めてみてください。

ETFをやるなら、米国ETFで決まり!

今回は米国ETFについてご紹介してきました。

ここまで読んでいただければわかる通り、同じETFの中でも米国ETFが断然おすすめ!他国ってだけで敷居が高いような印象を抱きがちですが、ほかの投資同様に意外と簡単なので、チャレンジしてみる価値ありです。

これからETFで投資デビューを考えてる人も、新しい投資方法にチャレンジしてみたい人も、ぜひ米国ETFを候補に入れてみてくださいね。