私たちの生活から切っても切れない選挙。国民の義務であり権利でもある重要なイベントですね。
そんな選挙ですが、実は投資にも関係大!「選挙は買い」っていわれるように、選挙になると株価が上がる傾向にあるんですよ。
そこで今回は、過去5回分の衆議院選挙と実際の株価の値動きについて詳しく解説していきます。
衆議院選挙と日経平均株価の動き
それではここから、実際に衆議院選挙と日経平均株価の関係を見ていきましょう。第44回から第48回までをピックアップし、それぞれどんな選挙で実際株価はどう動いたのか詳しく解説していきます。
第44回
解散が平成17年(2005年)8月8日、総選挙期日が平成17年9月11日、招集日が平成17年9月21日。
これはあの有名な郵政選挙と呼ばれるものですね。当時総理大臣だった小泉純一郎氏が郵政民営化を進めるべく行った解散総選挙のことで、別名郵政解散ともいわれています。
この選挙の結果は、自民党の圧勝でした。
そして選挙に基づき、日経平均株価も上昇。解散日である8月8日の終値が11,778.98、総選挙後の9月12日の終値は12,896.43、招集日である9月21日の終値は13,196.57まで上がっています。
この背景には構造改革への期待があったとされています。構造改革へ積極的な内閣が誕生したことから、今後の日本への期待が高まったってことですね。実際外国人投資家の買いが多かったともいわれているんですよ。
その後しばらく選挙時の高値で推移していた株価でしたが、2008年9月に急落。というのもこの2008年9月は、あのリーマンショックの発生した時期でした。
日本も例外ではなくリーマンショックの影響を受ける形となり、第44回選挙前よりも低くなっています。
第45回
解散が平成21年(2009年)7月21日、総選挙期日が平成21年8月30日、招集日が平成21年9月16日。これは自民党から民主党へ政権交代した選挙ですね。
当時の内閣総理大臣は麻生太郎氏でしたが、いわゆるねじれ国会の影響を受けたり、内閣の支持率が低下したり、大きな話題となりました。
結果として民主党に敗北。長らく続いた自民党政権は終わり、鳩山由紀夫率いる民主党へと政権交代しています。
選挙に基づき、日経平均株価も上昇。解散日である7月21日の終値が9,652.02、総選挙後の8月31日の終値が10,492.53、招集日である9月16日の終値は10,270.77まで上がっています。
これはやはり新しい政権に対する期待感が一番の要因といえるでしょう。
しかしこの効果はあまり長くは続きません。その数か月後には民主党政権への期待外れ感があり、日経平均株価も下がっています。
また年単位で見ると、2011年3月11日に東日本大震災が発生するなど、その後も低いまま推移しています。
第46回
解散が平成24年(2012年)11月16日、総選挙期日が平成24年12月16日、招集日が平成24年12月26日。自民党が政権奪還した選挙ですね。
大きな期待感を持たれていた民主党でしたが、このころには失速。とくに東日本大震災を経て、民主党政権への不信感を持っていた人も多いんじゃないでしょうか。
またこのころの特徴として、新党きづなや日本維新の会、国民の生活が第一など複数の政党が乱立しました。
そんな第46回衆議院議員総選挙ですが、前述の通り自民党の勝利で政権奪還。安倍晋三氏が内閣総理大臣となっています。
この選挙では、日経平均株価も大幅に上昇。解散日である11月16日の終値が9,024.16だったのに対し、総選挙後の12月17日の終値が9,828.88、招集日である12月26日の終値は10,230.36まで上がっています。
要因としては、やはり政権交代されたことが大きいでしょう。またアベノミクスなど経済成長を押し出していたことから、外国人投資家の注目度も高かったとされているんですよ。
第46回衆議院議員総選挙では、その後も株価が上昇していっています。たとえば2013年の急騰では、アベノミクスの影響も要因のひとつとされています。
第47回
解散が平成26年(2014年)11月21日、総選挙期日が平成26年12月14日、招集日が平成26年12月24日。アベノミクスが争点となった選挙ですね。
具体的には消費税増税を先送りすることに対し、国民の是非を問うというもの。別名アベノミクス解散とも呼ばれています。
結果として、自民党の勝利。第3次安倍内閣が発足されました。
このときの日経平均株価は、解散日である11月21日の終値が17,357.51、総選挙後の12月15日の終値が17,099.4でした。しかし招集日である12月24日の終値は17,854.23まで上昇、年明けも変わらず上がっています。
これには国民の支持率の高さも影響したと考えられます。外国人投資家にとっては注目度の低い選挙だったものの、第3次安倍内閣発足後に内閣支持率が上昇。結果として外国人からの注目も高まったんだとか。
その後2015年半ばまで高値で推移していた日経平均株価ですが、途中で急落。これは俗にいうチャイナショックの影響を受けたものですね。
また2016年もイギリスのEU離脱に伴うブレグジット・ショックなどがあり、急落する場面がありました。
第48回
解散が平成29年(2017年)9月28日、総選挙期日が平成29年10月22日、招集日が平成29年11月1日。
ちょうど北朝鮮のミサイル発射実験などが注目されていた時期でした。また少子高齢化も問題視され、この2つの対応への信を国民に問うべく行われたとされています。
結果、このときも自民党が勝利。第4次安倍内閣が誕生しました。
この選挙でもやはり、日経平均株価が上昇。解散日である9月28日の終値が20,363.11だったのに対し、総選挙後の10月23日の終値が21,696.65、招集日である11月1日の終値は22,420.08まで上がっています。
これは自民党が勝ち安倍政権の続投が決まったことで、金融緩和政策やアベノミクスなどが継続されると判断されたことが要因のひとつとされているんですよ。
またその後の日経平均株価を見てみると、乱高下しながら推移。とくに2018年の後半はアメリカと中国の貿易摩擦やアメリカの中間選挙などの影響も受けているようですね。
また2020年にはみなさんご存じの通りコロナショックがありましたから、急落している場面もあります。
選挙と株価には関係性大だった!
今回は過去の衆議院選挙と日経平均株価の動きについて解説してきました。選挙っていうと政治のイメージばかりだけど、株価にも影響を与えてるのがわかりますよね。
とくに今回ご紹介した近年の衆議院選挙では、選挙=株価が上がるという構図。投資家にとっても見逃せないでしょう。
もうすぐ次回の衆議院選挙も控えていますから、ぜひみなさんもこの機会に注目してみてくださいね。