定期的にやってくる株価の暴落。ここ最近に至っては新型コロナウイルスの影響でどこもかしこも悲惨な状況ですよね。
なかにはそんな暴落をチャンスと見て「安くなってるから今が買い!」と思ってる人もいるでしょう。私自身、以前はそう考えたこともありました。
しかし、一度暴落してしまった景気はそんなすぐには上がりません。チャンスと思ったものが大損につながる可能性も十分あるんです!
そこでこの記事では、過去の大暴落・金融危機について徹底紹介。実際どれほど暴落し、その後回復までにどれだけの時間がかかったのか、詳しく解説していきます。
目次
リーマンショックとITバブル崩壊
それではまず最初に、過去の大暴落・金融危機についてご紹介。数ある中でも今回はとくに有名なリーマンショックとITバブル崩壊について解説していきます。
知ってる人も多いかもしれないけど、おさらいのつもりで確認していきましょう。
リーマンショックとは?
リーマンショックとは、2008年9月15日に発生した金融危機のこと。アメリカのリーマン・ブラザーズ・ホールディングスっていう投資銀行が経営破綻したのをきっかけに引き起こされたものです。
もともとは2007年に発生した住宅バブルの崩壊がきっかけで、これによりサブプライム住宅ローン問題などが発生しました。
ちょっとわかりにくいので先にサブプライム住宅ローンの解説をすると、低所得者向けの金利の高いローンのこと。とっても金利が高いものの、当時は住宅価値が上がっていたので、購入した住宅を担保に金利の安いローンに借り換えることができたんです。これのおかげで、本来低所得者や信用度の低い人でも家を買うことができました。
しかし住宅バブルの崩壊によって住宅の価値が上がらず借り換えが不可能に。結果として高額なローンを払えない人が続出し、金融機関にも莫大な損失が出たんです。
そのもっともたる企業こそ、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス。負債総額は日本円にして約64兆円という最悪の倒産が発生し、信用不安から世界的な金融危機へ陥りました。これが日本でも有名になった「リーマンショック」です。
ITバブル崩壊とは?
2000年代初期に発生したITバブル崩壊。このITバブル崩壊をきっかけに、多くの企業が倒産に追い込まれました。
元となるITバブルから解説していくと、当時はパソコンやネットワーク関連が発展していました。たとえばWindows95の発売や光通信など、1990年代前期ごろから右肩上がり。それによりベンチャーブームや株価の暴騰が起こっていたんです。
でも同時に、こういった情勢に危機感を抱く人も増えてたのも事実。頭打ちになる開発やベンチャー企業に対する不安感などなど、2000年代初期に入ると、あっという間にバブルがはじけてしまいました。
これがITバブル崩壊です。結果として多くのベンチャー企業が倒産し、投資家たちもかなりの痛手を負ったとされています。
そしてなにより怖いのが、リーマンショックのような明確な原因が存在しないこと。ITバブル崩壊は一過性のブームが去ったのと同じで、いつまた引き起こされてもおかしくないものなんです。
それぞれの株価指数の下落率
お次はそれぞれの下落率について。リーマンショックとITバブル崩壊では、実際どのくらいの下落率だったのか。具体的な数字を挙げながら比べていきます。
リーマンショックの場合
まずはリーマンショックの下落率から。野村証券の資料によると、S&P500指数の下落率が-56.8%、日経平均株価の下落率が-61.4%でした。とんでもない数字ですよね。
10年以上過ぎた今でも「リーマン級」「リーマンショックの再来」などと比較対象になるだけあって、世界を揺るがす下落率だったことがわかります。
ITバブル崩壊の場合
そしてもうひとつITバブル崩壊の下落率について。こちらも先ほどと同じく野村証券の資料によると、S&P500指数の下落率が-49.1%、日経平均株価の下落率が-63.5%でした。
総合するとリーマンショックほどではないものの、日経平均株価ではリーマンショック以上の下落率だったことがわかります。
崩壊から株価がもとに戻るまでの期間
ここまでリーマンショックとITバブル崩壊について詳しく見てきたけど、じゃあ回復までにどのくらいの時間がかかったのか。暴落やバブル崩壊を狙って投資を考えてる人にとって、ここが一番気になるところですよね。
そこで最後に、それぞれの暴落から回復までにかかった期間を比較。いずれもかなりの時間がかかっているため、ぜひ今後の参考にしてください。
リーマンショックの場合
まずリーマンショックの場合ですが、株価回復までに約2年以上の期間が必要になりました。2007年のサブプライムショックをリーマンショックとして含めると、回復まで約6年!いずれにしても市場全体が持ち直すまでは長く続く暗黒期だったわけです。
世界で倒産や失業が相次ぎ、日本国内でも緊急経済対策として定額給付を開始。2009年5月には、すべての自治体で18歳以下と65歳以上は20,000円、それ以外は1人当たり1,2000円の給付を始めたんですよ。
つまり発生から半年以上経った時点でも予断を許さない危機的状況だったってこと。しかもその後の2011年には東日本大震災・311が発生したのもあり、経済が完全に回復するまで長い期間を要しました。
ITバブル崩壊の場合
対するITバブル崩壊の場合ですが、こちらはリーマンショック以上に長期戦でした。なんと回復までに要した期間は約7年!気の遠くなるような年月ですよね。
実際日本でも失業率がぐっと高くなり、バブル崩壊時よりも悲惨な状況が続きました。
またこのときはリーマンショック時の日本と同じく、2001年9月11日にかの有名なアメリカ同時多発テロ事件・911が発生。これによりさらなる危機的状況に陥ったとされてます。
安易な投資はNG!過去の経験を活かそう
ここまで読んでもらえればわかるように、こういった金融危機やバブル崩壊は、簡単には回復しないもの。株価が暴落すると一見「今がチャンス!」と思いがちだけど、場合によっては大ダメージを追ってしまうことも十分あるんです。
またこれらの危機が去っても、リーマンショックやITバブル崩壊のときと同じように、自然災害やテロなどいつ起こるかわからない危機が迫っている可能性もあるでしょう。
そのため勢いだけで投資を始めるのはとっても危険!過去のできごとから学び、リスクマネジメントをしっかり行うことが大切なんですよ。ぜひ皆さんも今一度過去の大暴落・金融危機を参考にし、安全な投資を行ってくださいね。