投資について調べ始めると、耳にするETF。でも一体ETFってどんなものなのでしょうか。なんとなくはイメージできても、具体的にはわからないって人もいますよね。
実際私もその一人で、最初のころは疑問ばっかり。あれこれ調べたり悩みました…。
そこでこの記事では、同じように悩む人に向けて、ETFについて詳しくご紹介!「ETFとは?」といった基本の疑問から、投資信託との違い、ETFのメリット・デメリットまで解説していきます。
目次
意外と知らない…ETFとは?
ETFとは、Exchange Traded Fund(エクスチェンジトレードファンド)の頭文字からつくられた言葉。上場投資信託を指す言葉で、簡単にいうと証券取引所に上場している投資信託ってことです。
このままだとちょっとわかりにくいけど、注目すべきは上場してるってこと。上場してることによって、株式と同じようにリアルタイムの取引が可能なんです!
また投資信託っていう言葉が入っている通り、一般的な投資信託のように小額からの分散投資も可能。2つのメリットを合わせたような投資といえるでしょう。
ちなみにこのETFには、日本国内の国内ETFはもちろん、アメリカの米国ETFをはじめとした海外ETFも存在。米国ETFの場合はアメリカの証券取引所に上場している投資信託って意味で、こちらも人気が高いんですよ。
ETFの種類
そんなETFだけど、実は種類がかなり豊富なんですよ。
国内ETFを例に挙げてみると、まずオーソドックスなのが国内株式。ほかにも債券やコモディティと呼ばれる金や原油などの商品、REIT(リート)っていう不動産などなど盛りだくさんなんです!
また国内株式のなかでも総合やテーマ別、業種別などと分かれていて、どれにしようか迷ってしまうほど。本数にすると国内ETFでは200本程度も存在しています。
似てるようで別物!投資信託との違いとは?
同じ「投資信託」という言葉が使われてるETF(上場投資信託)と投資信託。それだけに、「同じものなの?」「何が違うの?」と混乱してしまう人もいるんじゃないでしょうか。私も最初に知ったときはイマイチ違いがよくわかりませんでした(笑)
でもこの2つは、似てるようで全くの別物。知れば知るほどたくさんの違いがあります。そしてその一番大きな違いが、上場か非上場か。この上場しているか否かで、取引が変わるんです。
まず上場してるETFの場合、上の項目で書いた通り株式と同じように取引が可能。取引時間中であれば1日何度でも取引でき、価格もリアルタイムで変動します。
対する投資信託では、上場していないので、1日1回算出される基準価額をもとに取引します。自由度が低いぶん購入場所は豊富で、証券会社以外にも銀行や郵便局などで買えるんですよ。
またほかにも、ETFでは1口や10口など購入単位が銘柄ごとに決まってるのに対し、投資信託では金額指定や口数の指定など好みに合わせて選べるなど、細かい部分が全く異なります。そのため「どちらがより自分の目的に合っているか」を考えて選ぶようにしてくださいね。
知って得する!ETFのメリット5つ
このように、投資信託とは異なるETF。そこでここからは、ETFについてもっと掘り下げて、メリット・デメリットをご紹介します。まずはメリットから順に解説していくので、確認していきましょう。
1. 種類が多く選択肢の幅が広い
まずETFで注目すべきは、種類の豊富さ。最初の項目でもご紹介した通り、同じETFでも国内や海外で異なり、投資対象もいろんな種類が存在します。それだけ選択肢があるってことですね。
また銘柄数も豊富。国内ETFでは200本程度とまだまだ少なめな印象ですが、米国ETFをはじめとした海外ETFを含めれば、その数は膨大。まさに、自分に合ったものを選びやすいといえるでしょう。
2. 分散投資ができる!
ETFなら1口で分散投資が可能。そのぶん万が一のときのリスクも減らせます。
すごく簡単にいうと、A社だけに投資してるとA社が倒産したときに損をしますよね。でもA社とB社に半分ずつ投資しておけば、損も半分で済むんです。
もちろん株式投資なんかでも分散投資ができるけど、株式投資の場合は個別銘柄ごとに買うので、複数保有しないと分散投資は叶いません。また分散投資するために複数保有するには、それなりのお金もかかるでしょう。
その点ETFなら、1口でも分散投資ができるので、万が一のリスクを簡単に減らすことが可能なんです。
3. 小額からスタートできる
株式投資と同じく、購入単位が指定されてるETF。しかし株式投資と違って、小額からでも始められるんです。
というのも株式投資では、100株や1000株といった大きな単位が基本ですよね。いわゆるミニ株などの単元未満株を除き、まとまった額がないと始められません。でもETFなら、1口や10口など銘柄ごとに異なる指定がされてるので、銘柄によっては少ない金額からでも十分スタートできるんです。
100円投資などの存在する投資信託と比べれば多少お金がかかるものの、同じくわずかな金額からでOK。株式投資よりずっと少ない額で世界観を体感できますし、投資のハードルも低くなるでしょう。
4. 信託報酬が安く済む
投資信託なんかと比べ、ETFでは信託報酬が安く済むのもメリット。
たとえばETFの「日経225連動型上場投資信託」では信託報酬が0.22%(税抜)なのに対し、投資信託の「野村インデックスファンド・日経225」では信託報酬が0.40%(税抜)となっています。
この信託報酬は運用してもらうために必要な費用なので、長い目で見れば見るほど、安く済むに越したことはありませんよね。
5. リアルタイムで売買できる
最初にもお伝えした通り、リアルタイムで取引できるETF。非上場の投資信託とは異なり、リアルタイムで価格が変動し、取引時間中なら1日何回でも取引が可能です。
投資信託の場合は1日1回算出される基準価額をもとに取引するしかありませんが、ETFなら株式投資のように相場を見ながら素早く取引できるので、自由度が高いのがうれしいですよね。
要注意!ETFのデメリット3つ
先ほどはメリットをご紹介してきましたが、もちろんETFにもデメリットは存在します。ここからはそんなデメリットについていくつかご紹介していくので、しっかり覚えて失敗しないように注意してくださいね。
1. 分配金での再投資が自動ではない
まず、ETFでは分配金での再投資が自動ではありません。たとえば投資信託の場合、運用方針によって現金支払いや再投資などが設定され、現金の場合でも再投資するかどうか選べます。
対するETFでは、決まって現金で支払われてしまうことに。現金で受け取りたいだけの人であれば問題ありませんが、再投資をしたいと思っている人にとっては手間がかかるでしょう。
2. つみたてNISAなどの対象が少ない
税法上の優遇が受けられるつみたてNISAや一般NISA、iDeCoなどなど。できるだけ活用してお得に投資したいですよね。しかしETFの場合、その対象になる商品が少ないんです。
具体的につみたてNISAを例に挙げて確認してみると、金融庁の公式HPにある2019年10月1日の資料では以下のような違いがありました。
- ETF…7本
- インデックス投資信託…148本
- アクティブ投資信託…18本
圧倒的に投資信託のほうが対象が多いですよね。そのためこういった制度を活用したい場合には、ETFだと選択肢が少なくなってしまうでしょう。
3. 価格に対するリスクがある
ETFのデメリットで一番注意してほしいのがこれ。この価格に対するリスクには2つポイントがあって、まず1つ目が流動性のリスクです。
流動性のリスクは簡単にいうと、需要と供給に対するもの。ETFの中には不人気なものもあるので、市場の需要と供給が合致しないと、「売りたいのに売れない!」「思ってた価格で売れない!」なんてこともあるんですよ。
そして2つ目が、かい離するリスク。これはちょっと難しいんですが、そもそもETFには基準価額と市場価格が存在します。
まず基準価格は取引終了後に1日1回算出されるもので、投資信託と似ていますね。対する市場価格は、市場の需要と供給で変動するもで、上場してるETFならではです。
そしてこの2つの間にできる差が、価格のかい離。この差が大きいと割高で買ったり割安で売ったりなど損をしてしまう可能性もあるので、注意が必要なんですよ。
しっかり覚えてETFを使いこなそう!
今回は、ETFについて詳しくご紹介してきました。一見似てるように感じても、投資信託とは別物。またメリットだけじゃなく、デメリットも存在します。
大切なのは、しっかり事前に知っておくこと。投資信託との違いはもちろん、メリット・デメリット両方を把握し、そのうえで「自分に向いているか」「自分の目的に合っているか」を考えましょう。
ETFにはETFならではのいいところがたくさんあるので、上手な投資を目指してくださいね。