投資の世界で言い伝えられるアノマリー。なんとなく言葉は聞いたことがあっても、実際どんなものなのかわからないって人も多いんじゃないでしょうか。
実際私もアノマリーって言葉を知ったのは最近だったりします(笑)
とはいえアノマリーは投資にとって欠かせないもの。先人の経験や知恵が詰まった大事なものなんです!
そこでこの記事では、いったいアノマリーってなんなのか、どんなアノマリーがあるのかなどなど徹底紹介。「聞いたことない」「よくわからない」って人にも伝わるよう、詳しく解説していきます。
目次
投資のアノマリーってそもそもなに?
そもそも投資でよく聞くアノマリーとは、きちんとした根拠があるわけじゃないものの、経験から導き出せる相場の規則性のこと。ひと言でいうなら、相場での経験則ってやつですね。
日常生活や仕事でも、「説明はできないけど今までの経験だとこう!」みたいなことってありますよね。たとえば農家さんなら経験則で気象の変化を察したり、漁師さんなら経験則で潮の流れを読んだり、科学的に証明はできないものの有名な話です。
それと同じようなことが相場にもあって、意外と当たったり、格言にもなってるんですよ!もちろん根拠はないので絶対とは言い切れないけど、知識として覚えておくといざってときに役立つでしょう。
覚えておきたい!投資に関するアノマリー10選
そんなアノマリーだけど、では実際どんなものがあって、どんなときに使うのか。
そこでここからは、実際に投資の世界で使われる有名なアノマリーをご紹介しちゃいます!どれもかなり知名度が高いので、今後のためにもぜひ覚えておきましょう!
1. 2日新甫(しんぽ)は荒れる
この言葉はもともと商品相場で生まれたアノマリー。聞きなれない言葉だけど、新甫(しんぽ)っていうのはその月最初の取引日のことを指してます。
つまり「二日新甫は荒れる」は、「2日が最初の取引日になる月は相場が荒れる」って意味ですね。たとえば1日が休日の場合取引所も休みなので2日新甫になりますが、そういった月は相場が大きく変動しやすいってことです。
2. 1月効果
「1月効果」とは、カレンダー効果と呼ばれる暦になぞったアノマリーのひとつ。簡単にいうと「ほかの月より1月は利益が出やすい」って意味です。
これはなぜかっていうと、12月に節税などで売りが増え、1月になるとその買戻しが増えるから。またファンドなんかも1月に新規資金で投資をするケースが多く、1月効果が発生しやすいってわけです。
意外と信ぴょう性のあるアノマリーなので、覚えておいてくださいね!
3. 節分天井、彼岸底
「節分天井、彼岸底」は読んで字のごとく。「2月上旬の節分時期に高値になり、3月中旬の彼岸時期には安値になる」って意味のアノマリーです。
でも実はこの言葉にある彼岸は、もともと3月にある春の彼岸じゃなく9月にある秋彼岸だったとか…。昔は天候に左右されやすかったことから、収穫量が不透明な2月は高く、秋に収穫を迎えると安くなるって意味だったんですね。
そのためかなり歴史のある有名な言葉ではあるものの、あまり現代には当てはまりにくいアノマリーかもしれません。
4. セルインメイ(Sell in May)
アノマリーの中でもかなり有名なのが、アメリカ生まれのアノマリー「セルインメイ(Sell in May)」。日本語に訳すなら、「株は5月に売れ」って意味の言葉です。
NYダウは5月をピークに6月にかけて下落するケースが多いことから、5月のうちに売ってしまいなさいってことですね。
ちなみにこの言葉はほんの一部で、実際は「Sell in May,and go away; don’t come back until St Leger day.」と長いもの。日本語では「株は5月に売って立ち去りなさい。そしてセント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってきてはいけない」となります。
9月の第2土曜日ごろには株価が戻るので、5月で売ったらしばらく相場を離れなさいってことですね。
5. 夏枯れ相場
「夏枯れ相場」とは「夏場は値動きが小さくなる」って意味のアノマリー。この言葉の由来は結構簡単で、夏になると休暇で市場に参加する人が少なくなるので、市場の動きが鈍くなることから言われています。
実際日本でもお盆休みは帰省や旅行が増えるし、海外でも夏場の長期休暇が当たり前でバカンスに出かける人も大勢いますよね。
とはいえ動きが鈍いから安全かっていうと真逆!相場の取引量が減るとそのぶん小さなことでも上下しやすくなるので、要注意なんですよ!
6. 月曜株安
「月曜株安」は、マンデー効果などとも呼ばれるアノマリー。その言葉のままの意味で、「月曜日は株価が下がりやすい」ってことですね。
じゃあなぜ月曜日は株価が下がりやすいのかっていうと、週末にかけて悪材料を発表する企業も多いから。というのも週末に発表した方が土日の冷却期間をおけるため、混乱や乱高下を防ぎやすいんです。
つまり、なるべく混乱を避けたい企業側とリスクを避けたい投資家側の思惑が表現されたアノマリーともいえるでしょう。
7. サザエさん効果
ちょっとコミカルなネーミングの「サザエさん効果」。これは「日曜日に放送されるテレビアニメ・サザエさんの視聴率が高いと株式相場は下がり、視聴率が低いと株式相場が上がる」ってもので、サザエさんの法則とも呼ばれてます。
一見言いがかりのようにも感じるけど、大和総研のレポートによって、テレビアニメ・サザエさんの視聴率と株式相場の法則が発表されてるんですよ!
ちなみになぜこうなるかっていうと、一説では「サザエさんの視聴率が高い=景気が悪く家族で家で過ごすことが多いから」なんていわれてます。
8. ジブリの法則
サザエさん効果と同じくアニメを話題にしたアノマリーが、この「ジブリ効果」。別名をジブリの法則やジブリの呪いとも呼ばれるアノマリーです。
いったいどんなものかっていうと、「日本テレビの金曜ロードショーでジブリ作品が放送されると週明け最初の取引日に円高や株安になる」といった内容のもの。
これはアメリカの景気状況を知るために重要な指標・米雇用統計が関係してるといわれてて、この米雇用統計が発表される時間が日本時間では金曜ロードショーと被ることが多いことが原因ともされてるんですよ。
9. 小型株効果
「小型株効果」とは「時価総額の大きい大型株よりも時価総額の小さい小型株のほうが利益が多い」って意味のアノマリー。つまり、小型株のほうがより大きなリターンが期待できるってことですね。
というのも小型株の場合、倒産リスクなども高いので避けられたり割安な状態になりがち。そのため今後成長したときのリターンも大きく、大型株に比べて収益が大きくなるっていわれてるんですよ!
10. 低PER効果
投資初心者にとってはとくに聞きなれない言葉だけど、「低PER効果」もアノマリーのひとつです。
ちょっとわかりにくいので解説すると、そもそもこのPERとは株価収益率のことで、企業の利益に対し株価が割安かどうかを知るためのもの。そしてこのPERが低いほど割安ってことになります。
これらを踏まえると、つまり「PERの高い銘柄に比べ、PERの低い銘柄のほうが利益が大きい」ってこと。さっきの小型株効果と似てて、割安に売られてる銘柄のほうが大型株より収益が大きくなりやすいっていわれてるんですよ!
アノマリーは単なるジンクスじゃない!
今回は投資の世界で活用されるアノマリーについて詳しくご紹介してきました。
なかには「単なるうわさでしょ?」「ただのジンクスだよ」って人もいるかと思いますが、経験や知識がギュッと詰まった大切なもの。100%当たるわけじゃなくても、覚えておいて損はありません!
ぜひ皆さんもアノマリーを覚えて、よりリスクを少なく投資ライフを送ってくださいね。