注目度上昇中!デジタル田園都市国家構想の関連銘柄15選

なんだか最近耳にする機会が増えた「デジタル田園都市国家構想」。メディアでも取り上げられ関連銘柄も話題ですが、ちょっとわかりにくいですよね。

ということで今回は、デジタル田園都市国家構想とはどんなものなのか、そしてどんな関連銘柄があるのかをピックアップ。

デジタル田園都市国家構想の解説はもちろん、注目しておきたい銘柄まで、徹底的にご紹介していきます。

デジタル田園都市国家構想とは?

何かと耳にする機会の増えてきた「デジタル田園都市国家構想」。岸田総理大臣が掲げる政策のひとつで、ざっくりいうと「デジタル化によって都心と地方の差をなくそう」「地方を便利にして活性化させよう」ってものですね。

1. デジタル基盤の整備/2. デジタル人材の育成・確保/3. 地方の課題を解決するためのデジタル実装/4. 誰一人取り残されないための取組の分野で展開予定なんですよ。

引用元:内閣官房
「デジタル田園都市国家構想実現会議(第2回)議事次第」の資料より
デジタル基盤の整備 ・5G等の早期展開
・データセンター、海底ケーブル等の地方分散
・光ファイバのユニバーサルサービス化
・自治体システムの統一・標準化の推進 等
デジタル人材の育成・確保 ・デジタル人材育成基盤の構築・活用
・大学等における教育
・離職者等向けの支援
・先導的人材マッチング事業、プロフェッショナル人材事業の推進 等
地方の課題を解決するためのデジタル実装 ・構想を先導する地域への支援
・稼ぐ地域やしごとの創出への支援
・地方へのひとの流れの強化への支援
・持続可能な暮らしやすい地域づくりへの支援 等
誰一人取り残されないための取組 ・デジタル推進委員の制度整備
・デジタル分野での地域の実情に応じた女性活躍の推進 等

もちろんただ便利になるだけではありません。

地方部のデジタル化によって利便性が向上すれば、元来人生のステージによって地元を離れてしまっていた層も暮らしやすくなります。

たとえば地方部では難しかった子育てや進学、老後の生活なども、都市部と遜色なく送れるってことですね。

上の画像は牧島大臣提出資料にあるものですが、ゆりかごから墓場までワンストップ。まさにこれからの時代を大きく変える取り組みです。

日本はとくに超高齢化社会を迎え、地方の過疎化が危ぶまれていますから、デジタル田園都市国家構想は期待の政策といえるでしょう。

デジタル田園都市スーパーハイウェイ

そんなデジタル田園都市国家構想ですが、とくに注目なのが「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」というものです。

これは簡単にいうと、日本を周回する海底ケーブルのこと。さらにデータセンターや光ファイバー、基地局を組み合わせ、通信インフラを充実させようってことですね。

そもそもデジタル田園都市国家構想は、通信インフラを整備しデジタルの力でさまざまなサービスを実現するプロジェクト。そのためデジタル田園都市スーパーハイウェイは、成功のカギを握る存在ともいえるでしょう。

2021年12月には、このデジタル田園都市スーパーハイウェイを3年程度で完成させると岸田首相が話したこともあり、注目度が上がっているんですよ。

デジタル田園都市国家構想の関連銘柄15選

デジタル田園都市国家構想についてわかったら、ここからは関連の銘柄をご紹介。注目しておきたい15銘柄をピックアップしていきます。

それぞれ業績や企業情報など詳しく解説していくので、さっそく見ていきましょう。

1. 住友電気工業株式会社(5802)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額1.14兆円
  • 2021年3月期売上高2兆9185憶8000万円
  • 2021年3月期営業利益1139億2600万円
  • PER(予)14.3倍/PBR0.7倍

「住友電気工業株式会社」は、自動車/情報通信/エレクトロニクス/環境エネルギー/産業素材の5本柱で事業展開する企業。非鉄金属メーカーとして有名ですよね。

そんな同社ですが、海底ケーブルはとくに注目。多くの海底ケーブルプロジェクトの実績もあるほか、6機関合同で「マルチコアファイバによる光海底ケーブルの大容量化を実現する基盤技術」を開発・実証と発表しています

またほかに光ファイバ/光ケーブルの分野も注目で、光ファイバーケーブルでは高いシェアを誇っているんですよ。

デジタル田園都市国家構想を実現するためにはインフラの整備が欠かせませんから、代表的な関連銘柄として要チェックでしょう。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年3月25日が1,534.5、同じく直近安値では2022年3月9日が1,281.5となっています(2022年4月8日現在)。

2. 古河電気工業株式会社(5801)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額1,482億円
  • 2021年3月期売上高8116憶円
  • 2021年3月期営業利益84億2900万円
  • PER(予)21.2倍/PBR0.6倍

同じく名の知れた非鉄金属メーカーである「古河電気工業株式会社」。情報通信ソリューション/エネルギーインフラ/自動車部品・電池などさまざまな分野で活躍している企業です。

そんな同社ですが、こちらもまた海底ケーブルで注目。というのも上でもご紹介した「マルチコアファイバによる光海底ケーブルの大容量化を実現する基盤技術」を開発・実証した6機関に名を連ねているんですよ

また光ファイバーケーブルでも住友電気工業株式会社に次ぐシェアを誇っています。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年3月23日が2,311、同じく直近安値では2022年4月7日が2,041となっています(2022年4月8日現在)。

3. santec株式会社(6777)

引用元:santec株式会社

  • 東証スタンダード市場
  • 時価総額159億円
  • 2021年3月期売上高75憶900万円
  • 2021年3月期営業利益14億2100万円
  • PER(予)11.4倍/PBR1.5倍

光部品関連事業/光測定器関連事業/光イメージング・センシング関連事業などを手掛ける「santec株式会社」。光通信用の部品を作るメーカーです。

光パワーモニタや光フィルタ、光可変減衰器などさまざまな製品を手掛けているんですよ

ちょっとわかりにくいですが、光伝送装置に必要な部品ということで、光ファイバー関連など通信インフラの分野で注目の銘柄となっています。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月5日が1,355、同じく直近安値では2022年3月9日が1,125となっています(2022年4月8日現在)。

4. 日本電信電話株式会社(9432)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額12.8兆円
  • 2021年3月期売上高11兆9439憶6600万円
  • 2021年3月期営業利益1兆6713億9100万円
  • PER(予)11.6倍/PBR1.6倍

インフラの整備といえば、5G関連も要チェック。ということでまずご紹介するのが、NTTグループの持ち株会社である「日本電信電話株式会社」です。

おなじみのNTTドコモやNTT東日本、NTTデータなどを束ねる存在ですから、当然注目度は高めでしょう。

ソフトバンクやKDDIと並び、NTTドコモも5Gを展開。今年の春からは今まで4G用だった周波数を5Gに転用することで、サービスエリアの拡充を図っているんですよ。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月8日が3,761、同じく直近安値では2022年3月9日が3,300となっています(2022年4月8日現在)。

5. コムシスホールディングス株式会社(1721)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額3,184億円
  • 2021年3月期売上高5632憶5200万円
  • 2021年3月期営業利益415億7200万円
  • PER(予)11.0倍/PBR1.0倍

同じく5G関連銘柄である「コムシスホールディングス株式会社」。基地局の工事などを手掛ける企業として、注目です。

というのも同社は、電気通信工事ではいわずと知れた大手企業。とくにNTT系列に強みなんだとか。

たとえば傘下の日本コムシス株式会社では、NTT事業としてアクセス光ファイバ等敷設工事、ドコモ事業として携帯電話基地局などの事業を展開しているんですよ。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年3月25日が2,819、同じく直近安値では2022年4月7日が2,543となっています(2022年4月8日現在)。

6. 株式会社ミライト・ホールディングス(1417)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額1,906億円
  • 2021年3月期売上高4637憶4400万円
  • 2021年3月期営業利益301億2900万円
  • PER(予)8.5倍/PBR0.8倍

上のコムシスホールディングス株式会社と同じく、基地局関連で注目の「株式会社ミライト・ホールディングス」。通信工事では有名な企業ですね。

ICTソリューション事業/モバイルネットワーク事業/通信インフラ事業などなど、幅広い分野で事業展開しています。

なかでもモバイルネットワーク事業では、屋外基地局建設や屋内基地局建設、不感知対策などを実施。今後の社会を支える存在として、活躍しているんですよ。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年3月15日が2,048、同じく直近安値では2022年4月7日が1,885となっています(2022年4月8日現在)。

7. さくらインターネット株式会社(3778)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額203億円
  • 2021年3月期売上高221憶6800万円
  • 2021年3月期営業利益13億7200万円
  • PER(予)106.9倍/PBR2.5倍

デジタル田園都市国家構想では、大規模なデーターセンターも欠かせません。そんなデーターセンター関連銘柄として注目なのが、この「さくらインターネット株式会社」です。

データセンター事業やインターネットサービス事業などを展開する企業ですね。レンタルサーバーなども有名なので、実際に利用してるって人も多いんじゃないでしょうか。

とくにデータセンターの運営では言わずと知れた超大手。国内最大級の通信回線容量を誇るそうで、今後の活躍にも注目でしょう。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月5日が584、同じく直近安値では2022年3月8日が491となっています(2022年4月8日現在)。

8. 大和ハウス工業株式会社(1925)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額2.0兆円
  • 2021年3月期売上高4兆1267憶6900万円
  • 2021年3月期営業利益3571億2100万円
  • PER(予)9.3倍/PBR1.0倍

上のさくらインターネット株式会社と同じく、データセンター関連として注目の「大和ハウス工業株式会社」。住宅総合メーカーとして有名な企業ですね。

データセンターとしてのイメージは薄いですが、あなどることなかれ!すでに千葉県にて日本最大級となるデータセンター開発プロジェクトが開始されているんだとか

そして最近では、データセンターブランドのDPDC(ディープロジェクト・データセンター)を設立。先のプロジェクトもDPDC印西パークと銘打ち、推進しているんですよ!

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年3月28日が3,373、同じく直近安値では2022年4月7日が3,016となっています(2022年4月8日現在)。

9. 株式会社チェンジ(3962)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額1,358億円
  • 2021年9月期売上高156憶5300万円
  • 2021年9月期営業利益59億8500万円
  • PER(予)40.2倍/PBR4.0倍

デジタル田園都市国家構想のひとつとしてデジタル人材の育成・確保も重要とされていますよね。そこで関連銘柄となるのが、この「株式会社チェンジ」です。

というのも同社では、デジタル人材育成にも注力。KDDI株式会社とともに合併会社「株式会社ディジタルグロースアカデミア」しているんですよ。

デジタル人材育成のため、eラーニングやNEWデジタルリテラシー講座などを展開しています

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月5日が2,092、同じく直近安値では2022年3月15日が1,580となっています(2022年4月8日現在)。

10. 日本電気株式会社(6701)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額1.4兆円
  • 2021年3月期売上高2兆9940憶2300万円
  • 2021年3月期営業利益1537億5900万円
  • PER(予)20.0倍/PBR1.0倍

「日本電気株式会社」というと耳なじみが薄いですが、あのNECですね。電機メーカーとして皆さんご存じの有名企業です。

そんな同社ですが、実は上の株式会社チェンジと同じく、デジタル人材育成の分野で注目の銘柄なんですよ。

というのも2021年9月からNECアカデミー for DXを展開。これはDX人材育成サービスのことで、3年間で6,000人の育成を目指しています。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月5日が5,320、同じく直近安値では2022年3月8日が4,705となっています(2022年4月8日現在)。

11. ジェイフロンティア株式会社(2934)

  • 東証グロース市場
  • 時価総額141億円
  • 2021年5月期売上高84憶9300万円
  • 2021年5月期営業利益6億7100万円
  • PER(予)26.5倍/PBR3.2倍

デジタル田園都市国家構想では、都心部と地方部の格差解消が大切。地方でも暮らしやすくする工夫が重要です。

そこで次にご紹介するのが「ジェイフロンティア株式会社」。デジタルの技術を活用し、ヘルスケアの分野でサービス展開などをする企業ですね。

なかでも同社のSOKUYAKUというサービスは注目。これはオンライン診療から薬の宅配までを一手に行えるプラットフォームで、外出が難しい患者側の負担も減らせるんですよ。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月4日が3,150、同じく直近安値では2022年3月14日が1,854となっています(2022年4月8日現在)。

12. 株式会社サイバーエージェント(4751)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額8,073億円
  • 2021年9月期売上高6664憶6000万円
  • 2021年9月期営業利益1043億8100万円
  • PBR6.4倍

数多くのサービスを展開している「株式会社サイバーエージェント」。アメーバブログやabematvでおなじみの企業ですよね。

そんな同社ですが、DXの分野でも強み。たとえば医療の分野では、オンラインで服薬指導や薬の宅配が叶うサービス薬急便™や、オンライン診療サービスである薬急便™ for オンライン診療などを展開しているんですよ

またほかに小売業や行政などに向けたサービスも展開しており、DX化への推進を手助けしています。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月5日が1,611、同じく直近安値では2022年3月8日が1,333となっています(2022年4月8日現在)。

13. 株式会社ACSL(6232)

引用元:株式会社ACSL

  • 東証グロース市場
  • 時価総額287億円
  • 2021年12月期売上高5憶100万円
  • 2021年12月期営業利益-11億8800万円
  • PBR5.3倍

私たちの生活に必要不可欠な物流。身近な宅配サービスはもちろん、産地と市場そして店頭に並ぶまで、欠かせません。そおしてそんな物流も、スマート物流へと進化を遂げています。

今回ご紹介する「株式会社ACSL」は、ドローン分野に長けた企業。もともと自律制御システム研究所という名称だった企業ですね

同社では物流用ドローンも展開。日本郵便株式会社および日本郵政キャピタル株式会社と連携を図るなど、今後の物流を大きく変える存在といえるでしょう。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月7日が2,359、同じく直近安値では2022年3月8日が1,379となっています(2022年4月8日現在)。

14. 株式会社クボタ(6326)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額2.77兆円
  • 2021年12月期売上高2兆1967憶6600万円
  • 2021年12月期営業利益2462億700万円
  • PER(予)15.6倍/PBR1.7倍

私たちの暮らしを支える一方で、なり手不足が深刻化している一次産業。デジタル田園都市国家構想ではこの分野にも注目です。

ということでご紹介するのが、スマート農業関連として「株式会社クボタ」。産業機械などを手掛ける企業であり、とくに農業機械で有名ですよね。

同社では自動運転農機アグリロボシリーズや、農業用ドローンなどを展開。スマート農業に必要な製品を多く手掛けているんですよ。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年3月29日が2,385、同じく直近安値では2022年3月8日が1,933.5となっています(2022年4月8日現在)。

15. 株式会社オプティム(3694)

  • 東証プライム市場
  • 時価総額574億円
  • 2021年3月期売上高75憶1700万円
  • 2021年3月期営業利益18億800万円
  • PER(予)59.3倍/PBR12.2倍

最後にご紹介するのが「株式会社オプティム」。IoTプラットフォームサービスなどを展開している企業で、スマート農業で注目の銘柄ですね。

AIの画像解析を用いドローンなどでピンポイントに農薬散布できる“無線航空機、位置情報出力方法及び無線航空機用プログラム”という特許を取得。九州地方発明表彰にて文部科学大臣賞を獲得しているんですよ。

またスマート林業の分野においても参入しており、今後両分野で活躍が期待できるでしょう。

引用元:TradingView

過去一か月の直近高値では2022年4月5日が1,143、同じく直近安値では2022年3月15日が797となっています(2022年4月8日現在)。

内閣府の参考資料URL

・デジタル田園都市国家構想実現会議(内閣官房HP)

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/index.html

・ 「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」の公表(総務省HP)

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban01_02000042.html

デジタル田園都市国家構想で注目銘柄続々!

今回は、デジタル田園都市国家構想に関連した銘柄をご紹介してきました。

さまざまな業種が注目されていますが、これはほんの一部。今後政府の発表によっては、どんどん注目銘柄が増えていくことでしょう。

まだまだ未決定な部分の多いデジタル田園都市国家構想ですが、この機会にぜひみなさんも最新情報をチェックしてみてくださいね。