意外と知らない!日経平均の仕組みと算出方法を簡単解説

投資家であれば知らない人はいないってほど有名な日経平均(日経平均株価)。そんな日経平均だけど、じゃあどんな仕組みで算出されてるか知ってますか?

いつもチェックはしてても、詳しい仕組みってわかりづらいですよね。実際私も、つい最近まで詳しい仕組みって知らなかったんです…。

そこでこの記事では、日経平均の仕組みについて詳しくご紹介。どうやって算出するのか、しっかり解説していきますよ!

そもそも日経平均とは?

まずは今回の記事の要である日経平均について。知ってる人も多いと思うけど、簡単におさらいです!

そもそも日経平均とは、日本でとくに有名な株価指数のこと。正しくは日経平均株価っていう名前で、日経225などとも呼ばれています。

なんで日経225なんて呼ばれるかっていうと、日経平均は225銘柄の平均値だから。東京証券取引所の第一部に上場してる銘柄の中から日本経済新聞社が225銘柄を選び、平均値を算出・公表してるものなんですよ!

そしてこの構成銘柄は、業種や取引の活発さなどバランスを見ながら定期的に変更。日本を代表する株価指数として、偏りのないように工夫されてるってわけですね。

ちなみに現在の構成銘柄はマルハニチロやサッポロHD、花王やソニーなどなど。日本を代表する株価指数といわれるだけあって、誰もが知ってる大企業ばかりとなってます。

どう計算する?日経平均の仕組み

そんな日経平均だけど、いったいどんな仕組みで計算されてるのか。

まず基本となるのは、さっきも言った通り頭数で割る方法。「225銘柄の株価合計÷225=日経平均株価」って方法で、平均値を出すための一般的な計算方法ですね。

とはいえこれはあくまで基本の形。日経平均の場合はそんな単純なものじゃありません。実際にはこれから紹介する、「みなし額面」と「除数」ってのも関係してくるので、順を追って見ていきましょう。

みなし額面の調整

まずみなし額面について。聞きなれない言葉だけど、この額面っていうのは企業が初めて株券を発行したときの金額のことです。2001年に廃止されてしまったけど、かつては株券に金額が書かれ、50円や500円などの額面がありました。

そして日経平均株価では、この額面をあるようにみなして算出しています。これがみなし額面。たとえば大成建設は50円、ニチレイは100円といった具合で決まってるんですね。

とはいえ50円や100円のようにバラバラでは正確な平均値は出せません。そこで225銘柄すべてをみなし額面50円に統一する計算が必要になります。

実際にはどうやるかっていうと、「株価×(50円÷みなし額面)」の計算で、みなし額面の調整をした株価を出します。ここでは一例として、ニチレイと東日本旅客鉄道で見比べてみましょう。

  • 【ニチレイ】…みなし額面は100円、2020年6月24日現在の株価は3,080円。これをさっきの式で計算すると、3,080×(50円÷100)=1,540円です。
  • 【東日本旅客鉄道】…みなし額面は500円、2020年6月24日現在の株価は7,801円。これをさっきの式で計算すると7,801×(50円÷500)=780.1円です。

つまり日経平均では、市場株価そのままの合計ではなく、それぞれみなし額面の調整を入れた株価の合計で計算されるってわけです。

除数の調整

もうひとつが除数の調整。この除数ってのは、平均を求めるときの分母のことですね。日経平均の算出では、225の部分が除数になります。

そしてこの除数がちょっとクセもの。というのも日経平均を出すには、単純に225で割ればいいってものじゃないんです。

これはなんでかっていうと、225のままだと銘柄の入れ替えや株式の併合といったタイミングで株価指数が上昇しちゃうから。

ちょっとややこしいので簡単にたとえると、株価が同じ500円のA社とB社があったとします。これを単純な頭数で平均すると(500+500)÷2=500円です。

しかしB社を入れ替え株価1,000円のC社が入ったらどうなるでしょう。株価500円のA社と株価1,000円のC社では(500+1,000)÷2=750円になりました。

  • 【入れ替え前】…A社500+B社500=1,000円。2の除数で割ると500円が平均値
  • 【入れ替え後】…A社500+C社1,000=1,500円。2の除数で割ると750円が平均値

市場は何も変わらないのに、500円から750円に平均が上昇していますよね。このままでは正確な指数とは言えません。そのため必要なのが除数の調整です。

さっきのA・B・C社でたとえると、銘柄入れ替え後に750円へ上昇してしまったものを、元の500円に合わせたいってこと。つまり、除数を3に変更すればいいんです。こうすれば(A社500+C社1,000)÷3=500円で同じ数字になりました。

このように何度も調整を加え、最新である2019年に行われた調整では日経平均の除数は27.760になっています(2020年6月現在)

実際の日経平均の算出方法

最初にお伝えした基本の形からだいぶそれちゃったけど、日経平均はこのように「みなし額面」と「除数」がとっても重要。

これを基本形の式に当てはめると、「みなし額面に調整した株価の合計÷27.760=日経平均株価」が正しい算出方法ってわけです。

たとえば225銘柄のみなし額面を調整した株価合計が100万円だった場合、1,000,000÷27.760=36,023円。平均株価って言っても、単純には算出できないってことがよくわかりますね。

知れば知るほど日経平均は奥深い!

今回は、日経平均の仕組みや算出方法について詳しくお伝えしてきました。

私たち投資家が普段何気なくお世話になってる日経平均ですが、正確に算出されるためにたくさんの手順を踏み、公表されてるのがわかりますね。

またこういった仕組みがわかれば、投資の際にも役立つもの。ただ見るだけじゃなく、ぜひこの機会に日経平均について学んでみてください。