近年耳にする機会の増えたIR。カジノだ誘致だと話題であり、なかでも大阪IRについてはよく聞くんじゃないでしょうか。
そんなIRだけど、実際詳しく聞かれるとわからないことも多いもの。どんな内容なのか、どんな施設ができるのかなど、ちょっとわかりにくいですよね。
そこで今回は、大阪IRについて大解剖!IRの基礎知識から大阪IRの概要、恩恵を受ける業種、関連銘柄まで、詳しくご紹介していきますよ!
目次
- IRとは?
- 大阪IRの概要
- 大阪IRで注目される業種とは?
- 大阪IRの関連銘柄15選!
- 1. オリックス株式会社(8591)
- 2. 株式会社大林組(1802)
- 3. 大成建設株式会社(1801)
- 4. 五洋建設株式会社(1893)
- 5. 日本金銭機械株式会社(6418)
- 6. 株式会社ユニバーサルエンターテインメント(6425)
- 7. 横浜冷凍株式会社(2874)
- 8. 株式会社上組(9364)
- 9. 山九株式会社(9065)
- 10. 西日本旅客鉄道株式会社(9021)
- 11. 近鉄グループホールディングス株式会社(9041)
- 12. 京阪ホールディングス(9045)
- 13. KNT-CTホールディングス株式会社(9726)
- 14. 株式会社エイチ・アイ・エス(9603)
- 15. 株式会社翻訳センター (2483)
- 大阪IR銘柄は今後さらに注目度アップ!
- 参照元資料・関連資料など
IRとは?
大阪IRと聞くようになって久しいですが、まずはじめにこのIRとはなんのことなのか。なんとなくは認識していても、詳しく聞かれると難しいですよね。
そもそもIRとは、インテグレーテッドリゾート(Integrated Resort)の頭文字を取ったもの。日本語では統合型リゾートと呼ばれるものですね。
カジノや商業施設、ホテルに劇場などが揃った施設となります。簡単にいうと、ラスベガスのような場所って考えるとわかりやすいんじゃないでしょうか。
横浜などが誘致を中止したため、現在の有力候補は大阪と和歌山、そして長崎の3府県なんですよ。
なお日本では特定複合観光施設区域整備法(IR整備法)が定められており、施設にも厳格な基準があります。
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設と第一号から第五号までに掲げる施設から構成される一群の施設(これらと一体的に設置され、及び運営される第六号に掲げる施設を含む。)であって、民間事業者により一体として設置され、及び運営されるものをいう。
一 国際会議の誘致を促進し、及びその開催の円滑化に資する国際会議場施設であって、政令で定める基準に適合するもの
二 国際的な規模の展示会、見本市その他の催しの開催の円滑化に資する展示施設、見本市場施設その他の催しを開催するための施設であって、政令で定める基準に適合するもの
三 我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演その他の活動を行うことにより、我が国の観光の魅力の増進に資する施設であって、政令で定めるもの
四 我が国における各地域の観光の魅力に関する情報を適切に提供し、併せて各地域への観光旅行に必要な運送、宿泊その他のサービスの手配を一元的に行うことにより、国内における観光旅行の促進に資する施設であって、政令で定める基準に適合するもの
五 利用者の需要の高度化及び多様化に対応した宿泊施設であって、政令で定める基準に適合するもの
六 前各号に掲げるもののほか、国内外からの観光旅客の来訪及び滞在の促進に寄与する施設引用元:e-Gov法令検索
これがその一部。平成三十年法律第八十号 特定複合観光施設区域整備法を一部引用したものです。
ちょっと難しいけど、日本においてIRを開業するにはカジノ施設のほかに以下のような施設が必要ってことですね。
- 国際会議場施設
- 展⽰施設等
- 魅⼒増進施設
- 送客機能施設
- 宿泊施設
- その他観光客の来訪・滞在の促進に寄与する施設
この基準を満たしたものが特定複合観光施設として定義されているので、日本国内のIRにも同様の施設が設置されることでしょう。
大阪IRの概要
そして今回の記事の要となるのが大阪IR。簡単にいうなら、さっきご紹介した統合型リゾートを大阪府に作ろうってものですね。
初期投資額約1兆800億円を予定しており、文字通り一大プロジェクトなんですよ!
とはいえこれだけだとイメージしにくいので、順を追って解説していきます。
予定地は?開業はいつ?
まず予定地は大阪府にある人工島の夢洲(ゆめしま)。2025年大阪万博の舞台にもなる場所ですね。“世界最高水準の成長型IR”をコンセプトに、幅広い客層を取り込み数十年後の未来まで見据えているんだとか。
気になる開業予定は2029年!数年の遅れは予想されてしまうものの、今後誘致が認められれば日本が観光先進国になるための足掛かりとなるでしょう。
そんな夢の舞台となる夢洲ですが、現在は自家用車かバスでのみアクセス可能。最寄り駅はコスモスクエア駅で、そこから夢洲までのバス区間4km、だいたい10分程度の距離となっています。
大阪市内からのアクセスでは、心斎橋からコスモスクエア駅まで乗り換えによるものの20分~30分程度、梅田からコスモスクエア駅までも同じく20分~30分程度。
つまり大阪市内から電車とバスを乗り継ぐと、30分~40分はかかってしまいそうですね。
とはいえこれは現在の話。IRの前に大阪万博も控えているため、そのころまでには別のアクセス方法も増える可能性あり。延伸の計画なども出てきているため、もっと行きやすくなると予想できます。
メインの事業者は?
こちらはすでに設置運営事業予定者として選定されていて、MGM・オリックス コンソーシアムとなっています。
聞きなれない名前だけど、MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックス株式会社が共同になったグループなんですよ。
それぞれどんな企業かというと、まずMGMリゾーツ・インターナショナルはラスベガスに本社を置く企業。今までにも数多くのIRブランド運営を手掛けているほか、MICEオペレーターとしても有名な実力派です。
大阪IRでもすでにMGM大阪やMGM大阪ヴィラといったホテルも予定されていることから、実質的な開発・運営などを担う可能性もあるでしょう。
対するオリックス株式会社は、みなさんご存じの金融サービスなどを手掛ける日本企業。VINCI Airportsと共に設立した関西エアポート株式会社では、関西国際空港など関西3空港の運営実績があるんですよ。
またほかにもホテルや旅館などの不動産運営事業も豊富なことから、運営のほか調整役などとしても活躍していきそうですね。
なおこれらを踏まえたうえで、IR事業者は以下のように予定されています。
名称 | 大阪IR株式会社(予定) |
---|---|
本社 | 大阪府大阪市 |
構成員 | 【中核株主(2社)】 合同会社日本MGMリゾーツ オリックス株式会社 |
【関西地元企業を中心とする少数株主(20社)】 岩谷産業株式会社 大阪瓦斯株式会社 株式会社大林組 関西電力株式会社 近鉄グループホールディングス株式会社 京阪ホールディングス株式会社 サントリーホールディングス株式会社 株式会社JTB ダイキン工業株式会社 大成建設株式会社 大和ハウス工業株式会社 株式会社竹中工務店 南海電気鉄道株式会社 西日本電信電話株式会社 西日本旅客鉄道株式会社 日本通運株式会社 パナソニック株式会社 丸一鋼管株式会社 三菱電機株式会社 レンゴー株式会社 |
どんな施設ができるの?
先でもご紹介したとおり、IRはカジノのほかにさまざまな施設が必要不可欠!そのためもちろん大阪IRでもそれぞれ力を注いでいます。
国際会議場施設 | 約3.7万㎡ |
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展示等施設 | 約3.1万㎡ |
魅力増進施設 | 約1.5万㎡ |
送客施設 | 約1.4万㎡ |
宿泊施設 | 約28.9万㎡ |
エンターテイメント施設 | 約1.3万㎡ |
飲食・物販・サービス等施設 | 約31.0万㎡ |
カジノ施設 | 約6.1万㎡ |
総延床面積 | 約77万㎡ |
総延床面積はなんと約77万㎡!大きすぎてちょっとイメージしにくいけど、だいたい東京ドーム16個分くらいの規模で、さくさんの施設ができるんですね。
それぞれどんな施設なのかについては、以下で具体的に解説していきます。
国際会議場施設
まずは国際会議場ですが、大阪IRではMICE施設を予定しています。
このMICEはビジネスイベントを総称したもので、Meeting(会議)、Incentive Travel(報奨・研修旅行)、Convention (国際会議) 、Exhibition/Event(展示会・見 本市/イベント)の頭文字を取ったものなんだとか。
世界水準のMICE施設を作ることで国際会議の開催件数を増えれば、日本の認知度が向上。結果としてビジネスや観光など集客にもつながると見込まれているんですよ。
そしてこれらを踏まえたうえで、6000人以上を収容する最大会議室のほか、中小会議室が予定されています。
展示等施設
こちらもまたMICE施設のひとつとして組み込まれているものですね。ホールA・ホールBがあり、床面積の暫定計画値では共に10,000㎡を予定されています。
魅力増進施設
魅力増進施設は、その名の通り大阪や日本の文化などを世界にアピールする施設のこと。魅力を発信するために欠かせないものですね。
ガーデンシアター/三道体験スタジオ/ジャパン・フードパビリオン/関西ジャパンハウス/関西アート&カルチャーミュージアムが予定されています。
送客施設
送客施設というのは、簡単にいうと日本の観光情報などを提供したり、実際に旅行に必要な交通手段などを手配できるような施設のことですね。
夢洲だけでなく、大阪全体そして日本全体を楽しんでもらうために欠かせないでしょう。
大阪IRではまず関西ツーリズムセンターとして、魅力を伝えるショーケース機能/相談窓口などのコンシェルジュ機能を予定。
またその他として、バスターミナルやフェリーターミナルといった交通機能/ピクトグラムや多言語サービスなどの多言語対応が予定されています。
宿泊施設
IRに作る宿泊施設は、それ相応の施設でなければいけません。快適に滞在してもらうのはもちろんのこと、滞在促進につながるのは必要不可欠です。
そのため大阪IRでは、MGM大阪/MGM大阪ヴィラ/MUSUBIホテルを予定。
ビジネスからファミリー、そして富裕層まで、さまざまな人が快適に過ごせるようそれぞれ特色を持った宿泊施設が予定されているんですよ。
エンターテイメント施設
これはいわゆる来訪及び滞在寄与施設に位置づけられるものですね。IRといえばエンターテイメントの分野も魅力のひとつですから、大阪IRでも力を注いでいます。
劇場である夢洲シアターのほか、 オープンスペースイベント広場劇場である結びの庭などを予定しています。
飲食・物販・サービス等施設
こちらもまた来訪及び滞在寄与施設に位置づけられるもののひとつですね。
まず飲食施設としては、飲食機能を持つローカルパートナーダイニング/グローバルパートナーダイニング。そして飲食機能とライブ・パフォーマンス機能を持つジャズクラブ/サパークラブ/バーアレー等のナイトエンターテイメント施設が予定されています。
物販施設のほうはリテール機能として、Luxuryリテール/その他リテールが予定されています。
大阪IRで注目される業種とは?
ここまで大阪IRについて詳しくご紹介してきましたが、では実際にどんな業種が注目されているのか。ざっくりとピックアップすると、以下のような企業が注目でしょう。
- 建設業
- 夢洲に土地・倉庫を持っている企業
- 鉄道会社
- 旅行業
- カジノ関連
- MICE関連
それぞれなぜ注目なのか、以下で解説していきます。
建設業
まず建設業ですが、これはIRの施設建設などに欠かせない基本中の基本ですね。夢洲の土地の整備から上物の建設まで、欠かせません。
とくに大阪に本社を持つ企業や大阪での受注実績のある企業などは注目です。
実際、初期投資額約1兆800億円のうち建設関連投資約7,800億円。また最近では、夢洲の液状化・汚染土壌対策費として約790億円が必要だとの見通しもあり、受注する企業にとっては大きな恩恵となるでしょう。
カジノ関連
なんといっても欠かせないカジノ関連。カジノのためにはさまざまな機器が必要となりますから、このあたりを手掛ける企業は強いでしょう。
大阪IRではカジノ施設に約6.1万㎡もの面積を予定しており、完成のためにはカジノに必要な設備もそれ相応の規模になることが予想できます。
そのため受注した企業などは、大きな恩恵を受ける可能性が高いでしょう。
夢洲に土地や倉庫を持っている企業
次に夢洲に土地や倉庫を持っている企業について。
そもそも今回大阪IRの予定地となる夢洲は、2025年大阪万博にも選ばれている場所であり、コンテナ物流の拠点としてすでに活躍している場所です。
そのため今後さらなる開発が進んでいく可能性が高く可能性大。今後物流拠点などとしても注目を浴びる可能性が高いので、土地や倉庫などを持っている企業は要チェックでしょう。
鉄道会社
そしてド定番の鉄道会社。公共交通機関は重要な存在ですから、大阪IRが実現すれば当然鉄道各社にも恩恵があるでしょう。利用客の増加や沿線地域の活性化などが予想されますね。
実際すでにさまざまな鉄道会社が夢洲へのアクセスをよくするべく延伸を検討。詳しくはこのあとの銘柄紹介で解説していきますが、大阪IRの誘致が上手くいった暁には、これらの延伸計画が動き出す可能性も高いです。
旅行業
旅行業も当然のごとく活性化が予想。というのも大阪IRでは、IR区域の来訪者数を1年目762万人/2年目1,885万人/3年目1,987万人と概算。
うちIR区域を訪れる訪日外国人旅行者数を1年目約241万人/2年目約597万人/3年目約629万人とし、インバウンドだけでも3年目の旅行消費額は1兆1570億円を予測しているんですよ!
これが叶えば、インバウンドの需要・国内需要どちらも増加が期待。宿泊予約や首都圏から大阪までのパッケージツアー、周辺観光地を巡るツアーなどなど、利用者が増える可能性が高いでしょう。
また大阪IRでは送客施設も予定され、これによるほかの地域への観光客数は1年約1.7万人/2年目約4.1万人/3年目約4.3万人と予測。そのため大阪IRから大阪府内、そして日本全体への観光活性化しそうですね。
現在コロナ禍で落ち込んでいる業種ではあるものの、今後大阪IRが決まればさまざまなプランを打ち出してくると予想できます。
MICE関連
国際会議場や展示場といったMICE。このMICE関連の業種も注目です。といってもちょっとわかりにくいですが、たとえば通訳などの分野がそうですね。
国際会議の場ともなれば通訳は必要不可欠ですから、こういった業種も恩恵を受ける可能性が高いでしょう。
大阪IRの関連銘柄15選!
それではここからいよいよ、大阪IRの関連銘柄をご紹介。今回はなかでもとくに注目の15銘柄についてピックアップしています。
それぞれ業績や企業説明、注目ポイントなど詳しく記載しているので、さっそく見ていきましょう!
1. オリックス株式会社(8591)
- 東証1部
- 時価総額2.77兆円
- 2021年3月期売上高2兆2927億800万円
- 2021年3月期営業利益2588億1400万円
- PER(予)11.1倍/PBR0.9倍
まず最初にご紹介するのが、「オリックス株式会社」。最初の方でもご紹介したとおり、MGMリゾーツ・インターナショナルとともにMGM・オリックス コンソーシアムとして設置運営事業予定者に選定されている企業ですね。
大阪IRの資金調達額は約1兆800億円ですが、うち49%の約5,300億円が出資金額。そしてオリックス株式会社では、この出資金額のうち約40%の出資割合である約2120億円を予定しているんだとか。
これほどの出資割合ともなると今後の売上やコロナの影響による集客といった問題も気になりますが、これには2021年11月4日に行われた2022年3月期第2四半期決算説明会において発言あり。
質問に対して「もともとインバウンド等を勘案した上で数年前からやってましたけども、今は客は全員日本人、日本人だけでどのくらい回るか、その前提でプランニングを作っています」とのこと。
さらにはそのうえで「10年・20年、何年くらいやれるかということもあるが、十分10%以上のIRRは回せるということを前提にこの試算をしている」といった回答をしていることから、十分勝算を持って挑んでいることがわかりますね。
過去一か月の直近高値では2022年1月18日が2,612、同じく直近安値では2021年12月28日が2,300.5となっています(2022年1月28日現在)。
2. 株式会社大林組(1802)
- 東証1部
- 時価総額6,639億円
- 2021年3月期売上高1兆7668億9300万円
- 2021年3月期営業利益1231億6100万円
- PER(予)19.0倍/PBR0.7倍
続いては建設業の銘柄をチェック。まずはスーパーゼネコンとして名をはせ、IR事業者の構成員にもなっている「株式会社大林組」です。大阪IRの関連銘柄としてはもともと注目されていた企業ですね。
というのも大林組は本社こそ東京ですが、もともとも大阪に大林店として創業した歴史を持つ企業。何を隠そう、大阪市築港工事にも携わっていたんだとか。
またほかに太陽の塔や東大阪市総合庁舎、大阪市交通局新庁舎といった実績もあるんですよ。
2018年には大阪本店にて夢洲開発(万博・IR)プロジェクトチームを新設もしていて、今後の活躍に注目でしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月27日が940、同じく直近安値では2021年12月28日が883となっています(2022年1月28日現在)。
3. 大成建設株式会社(1801)
- 東証1部
- 時価総額7,608億円
- 2021年3月期売上高1兆4801億4100万円
- 2021年3月期営業利益1305億1600万円
- PER(予)12.1倍/PBR0.9倍
こちらもまたスーパーゼネコンであり、IR事業者の構成員にもなっている「大成建設株式会社」。建築工事や土木工事、都市開発などなど、その事業は多岐にわたります。
上の株式会社大林組と比べると関東色の企業ということで、IR事業者の構成員なったのは少し意外なイメージもあったかもしれませんね。
とはいえ2025日本万国博覧会誘致委員会のオフィシャルパートナーにも名を連ねていたことからも、当然といえば当然。関西国際空港・空港島の造成や大阪城ホールなども手掛けてきた実績もあり、今後大阪IRの関連銘柄として期待大でしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月27日が3,775、同じく直近安値では2022年1月11日が3,465となっています(2022年1月28日現在)。
4. 五洋建設株式会社(1893)
- 東証1部
- 時価総額1,816億円
- 2021年3月期売上高4710億5800万円
- 2021年3月期営業利益304億6000万円
- PER(予)9.1倍/PBR1.1倍
建設業銘柄で最後となるのが、この「五洋建設株式会社」。準大手ゼネコンの一角を担う存在企業ですね。
そんな同社ですが、かつて広島県呉市にて水野組として創設され、海軍工事に携わってきた歴史あり。海洋土木の分野に長けていることから、夢洲の開発で活躍する可能性が高いと予想できます。
実際夢洲では、液状化や土壌汚染などが心配されている状態。先でもご紹介したとおり、大阪市によると約790億円もの液状化・汚染土壌対策費がかかるとの見通しとのこと。
これらを踏まえ今後大阪IR関連の受注を行えば、同社も大きな恩恵を受けると予想できるでしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月5日が664、同じく直近安値では2022年1月27日が623となっています(2022年1月28日現在)。
5. 日本金銭機械株式会社(6418)
- 東証1部
- 時価総額186億円
- 2021年3月期売上高170億1000万円
- 2021年3月期営業利益-25億8900万円
- PER(予)51.6倍/PBR0.8倍
続いてはカジノ関連銘柄として注目の「日本金銭機械株式会社」。聞きなれない人もいるかもしれませんが、貨幣処理機器/金融関係機器/遊技場向関連機器などの開発・製造を手掛けている企業ですね。
その高い技術力から、カジノ・ゲーミング市場/金融・流通・交通市場/国内遊技場向機器市場で活躍。カジノ業界をはじめ、いわずと知れた存在なんですよ!
そのため今回の大阪IRでも関連銘柄として注目大。IRでは当然カジノ施設ができますから、同社の機器が使われる可能性もかなり高いでしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月5日が687、同じく直近安値では2022年1月27日が601となっています(2022年1月28日現在)。
6. 株式会社ユニバーサルエンターテインメント(6425)
- ジャスダック
- 時価総額1,860億円
- 2020年12月期売上高908億7100万円
- 2020年12月期営業利益25億5500万円
- PBR0.6倍
カジノ関連銘柄としてもうひとつ注目したいのが、この「株式会社ユニバーサルエンターテインメント」。複数のグループ企業を抱え、パチンコやパチスロ機などを手掛ける企業ですね。
そんな同社ですが、カジノ関連機器にも強み。2019年にはカジノ関連機器による自動為替交換システムやカジノスロットマシン専用顧客優遇システムなどを手掛けているんですよ。
またほかに、なんとすでにIRの実績もあり。というのも同グループでは、フィリピン・マニラにてOKADA MANILA®という統合型リゾートの運営を行っているんだとか!
まさにIR関連銘柄・そしてカジノ関連銘柄として注目度高めの企業といえるでしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月5日が2,505、同じく直近安値では2022年1月24日が2,277となっています(2022年1月28日現在)。
7. 横浜冷凍株式会社(2874)
- 東証1部
- 時価総額495億円
- 2021年9月期売上高1107億8200万円
- 2021年9月期営業利益25億6200万円
- PER(予)17.7倍/PBR0.6倍
お次は夢洲に土地や倉庫を持っている企業について。最初はヨコレイでおなじみの「横浜冷凍株式会社」です。冷蔵倉庫事業や食品販売事業を展開している有名企業ですね。
そんな同社ですが、公式サイトにも記載のある通り夢洲東1丁に夢洲物流センターを所有。地図で見てみると、夢咲トンネルを抜けたすぐ近くのエリアにあるんだとか。
冷凍収納能力25,773トンということから比較的大き目であり、大阪IRにおける土地持ち銘柄や物流関連銘柄として注目でしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月5日と12日が855、同じく直近安値では2021年12月28日が818となっています(2022年1月28日現在)。
8. 株式会社上組(9364)
- 東証1部
- 時価総額2,564億円
- 2021年3月期売上高2682億9000万円
- 2021年3月期営業利益244億4900万円
- PER(予)13.5倍/PBR0.7倍
港湾物流の大手企業として名をはせる「株式会社上組」。港湾インフラの分野で活躍しており、国内6大港でのシェアはトップクラスなんだとか。
兵庫県神戸市に本店を、東京都港区に東京本社を持つことから、今回の大阪IRでは関西方面に強い企業としても魅力ですね。
そんな同社ですが、ヨコレイに続きこちらも土地持ち銘柄。というのも2013年に大阪市が行った一般競争入札において、夢洲中にある4万541㎡の区画を24億4500万円にて落札しているんですよ。
過去一か月の直近高値では2022年1月17日が2,276、同じく直近安値では2022年1月27日が2,142となっています(2022年1月28日現在)。
9. 山九株式会社(9065)
- 東証1部
- 時価総額2,707億円
- 2021年3月期売上高5338億7000万円
- 2021年3月期営業利益339億2800万円
- PER(予)12.3倍/PBR1.1倍
こちらもまた、夢洲に土地を持っている企業として注目しておきたい「山九株式会社」。総合物流企業であり、ロジスティクスソリューション/プラント・エンジニアリング/ビジネス・ソリューションなど幅広く展開しています。
そんな同社ですが、実は上の株式会社上組と同じく夢洲の土地を落札。夢洲中にある4万2,936㎡の区画を26億9,300万円で落札しているんだとか。
このことから土地持ち銘柄として、ほかの銘柄同様に注目となっています。
過去一か月の直近高値では2022年1月17日が4,940、同じく直近安値では2022年1月28日が4,135となっています(2022年1月28日現在)。
10. 西日本旅客鉄道株式会社(9021)
- 東証1部
- 時価総額1.17兆円
- 2021年3月期売上高8981億7200万円
- 2021年3月期営業利益-2455億4400万円
- PBR1.1倍
続いては鉄道関連銘柄について。最初にご紹介するのは、JR西日本でおなじみの「西日本旅客鉄道株式会社」です。西日本の交通網を支える大手企業であり、IR事業者の構成員にも名を連ねています。
そんな同社ですが、実は夢洲までの延伸計画があるんだとか。具体的にはUSJへのアクセスでおなじみJR桜島線(通称・ゆめ咲線)を、桜島~舞洲~夢洲まで延伸を検討しているそう。
現在はまだ検討段階なものの、それこそ大阪IRの誘致が成功すれば動き出す予感ですね!
この延伸が叶えば夢洲へのアクセス面での問題解決はもちろん、USJなどへの観光も便利となり相乗効果が見込めるでしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月21日が4,933、同じく直近安値では2022年1月11日が4,652となっています(2022年1月28日現在)。
11. 近鉄グループホールディングス株式会社(9041)
- 東証1部
- 時価総額6,257億円
- 2021年3月期売上高6972億300万円
- 2021年3月期営業利益-621億1500万円
- PER(予)18.4倍/PBR1.9倍
同じくIR事業者の構成員にも名を連ねている「近鉄グループホールディングス株式会社」。そんな同社もまた、夢洲への延伸を検討中なんですよ。
というのも沿線観光地から夢洲までを結ぶ直通列車を計画しているんだとか。まだまだ計画段階ではあるものの、実現すれば周辺観光にも大活躍となりそうですね。
また同社では鉄道やバスなどの運輸事業のほかに、不動産事業やホテル・レジャー事業など幅広く展開。
旅行業者でおなじみのKNT-CTホールディングス株式会社、大阪で大人気の株式会社海遊館、複数のホテルを構える株式会社近鉄・都ホテルズなども同グループなんですよ!
なかでも海遊館については夢洲への移転も検討されているとのことで、今後多様な活躍が期待できるでしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月21日と24日が3,400、同じく直近安値では2021年12月28日が3,185となっています(2022年1月28日現在)。
12. 京阪ホールディングス(9045)
- 東証1部
- 時価総額2,813億円
- 2021年3月期売上高2534億1900万円
- 2021年3月期営業利益-12億6500万円
- PER(予)53.1倍/PBR1.2倍
運輸業/不動産業/流通業/レジャー・サービス業を手掛ける「京阪ホールディングス」。こちらもIR事業者の構成員にも名を連ねている企業ですね。
そんな同社もまた、延伸を検討!グループ傘下の京阪電気鉄道株式会社が展開する中之島線を、中之島~九条~西九条で延伸される可能性があるんです。こうすることで西九条駅からJR桜島線でUSJや夢洲へのアクセスも叶うという計画みたいですね。
JR桜島線の延伸の状況や大阪IRの状況などもあり、まだまだ検討段階の様子ですが、今後なにかしらの発表があれば大きな話題となるでしょう。
また同じく傘下にクルーズやアクアライナーを展開する大阪水上バス株式会社、京都や大阪などにホテルを構える株式会社ホテル京阪なども抱えており、観光や宿泊面でも注目できそうです。
過去一か月の直近高値では2022年1月18日が2,765、同じく直近安値では2021年12月28日が2,557となっています(2022年1月28日現在)。
13. KNT-CTホールディングス株式会社(9726)
- 東証1部
- 時価総額346億円
- 2021年3月期売上高878億8900万円
- 2021年3月期営業利益-270億8200万円
- PBR1.5倍
お次は旅行関連銘柄として、「KNT-CTホールディングス株式会社」。近畿日本ツーリスト株式会社やクラブツーリズム株式会社でおなじみの企業であり、利用したことがある人も多いんじゃないでしょうか。
また上でご紹介した近鉄グループホールディングス株式会社の一員でもありますね。
国内でも有数の旅行業者ですから、大阪IRや大阪万博などに伴って旅行客が増加すれば、当然大きな恩恵を受けることが予想できるでしょう。
さらに同社では、ヘリコプター遊覧などを手掛けるAirXと協力。空飛ぶタクシーを目指して2019年に業務提携していて、2020年にはヘリコプター移動や遊覧プランの実証実験なども行っているんですよ。
こういった取り組みが今後上手くいけば、大阪IRなどでは新しい交通手段として注目されるかもしれませんね。
過去一か月の直近高値では2021年12月28日と29日が1,450、同じく直近安値では2022年1月28日が1,231となっています(2022年1月28日現在)。
14. 株式会社エイチ・アイ・エス(9603)
- 東証1部
- 時価総額1,304億円
- 2021年10月期売上高1185億6300万円
- 2021年10月期営業利益-640億5800万円
- PBR3.2倍
こちらもまた旅行業者として有名な「株式会社エイチ・アイ・エス」。旅行事業のほかホテル事業やテーマパーク事業なども手掛けています。
そんな同社だけど、実は長崎でハウステンボスを運営しているハウステンボス株式会社はグループの一員。そのためどちかというと同じく誘致をしている長崎IRの方が関連度が強いかもしれません。
とはいえいずれにせよIR関連として注目なのは事実。
ツアーのほか東京~関西などを結ぶ高速バスを取り扱う株式会社オリオンツアーや、インバウンド専門の株式会社ジャパンホリデートラベルなども傘下に名を連ねていることから、大阪IRでも十分な活躍が期待できるでしょう。
過去一か月の直近高値では2022年1月21日が1,983、同じく直近安値では2022年1月7日が1,781となっています(2022年1月28日現在)。
15. 株式会社翻訳センター (2483)
- ジャスダック
- 時価総額45億円
- 2021年3月期売上高99億1000万円
- 2021年3月期営業利益4億1800万円
- PER(予)8.9倍/PBR0.9倍
最後にご紹介するのは、MICE関連として注目しておきたい「株式会社翻訳センター」。その名の通り言語サービスなどを提供する企業ですね。
大阪IRを成功させるためには、多言語への対応も必要不可欠。とくにMICE関連、こと国際会議の場においては、通訳のスペシャリストも必要になるでしょう。
その点同社であれば、長きにわたる実績アリ。世界の言語サービス会社ランキング トップ100においてアジア太平洋部門で売上高2位、総合ランキングで売上高16位にもなる有名企業なんですよ。
過去一か月の直近高値では2022年1月25日が1,444、同じく直近安値では2022年1月28日が1,310となっています(2022年1月28日現在)。
大阪IR銘柄は今後さらに注目度アップ!
今回は大阪IRの概要から関連銘柄まで詳しくご紹介してきました。
大阪IRについてはまだまだ未確定な部分も多いですが、計画が進むにつれ関連銘柄が増えたり注目度も上がる可能性大!まだまだこれからの状態なので、今後の動向など早め早めのチェックが大切です。
ぜひみなさんもこの機会に、大阪IRに注目してみてくださいね。
参照元資料・関連資料など
【大阪府】
大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業 設置運営事業予定者の選定について
【大阪市】
大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(案)骨子等について(令和3年12月21日)
【オリックス株式会社】
【西日本旅客鉄道株式会社】
【近鉄グループホールディングス株式会社】
【日本経済新聞】